1970


「“サッカーは人生の鏡である…”“そこには人生のすべてがうつる とくに男にとって必要なすべてが…”」

赤き血のイレブン」
(画:園田 光慶・深大路 昇介)

週刊少年キング連載/1970.2号~1971.21号迄
埼玉県のはずれに新設された新生高校。そこに集められた互いに見知らぬ学生達に、「サッカ-」を通じて友情とチ-ムワ-クを教える野心に燃える男・松木天平が赴任する。彼は元全日本チームで「ゴ-ルの猛虎」と呼ばれていた。サッカ-部設立を呼び掛ける松木の声に背を向ける生徒がいた。玉井真吾だ。松木への反発心から第2サッカ-部を作り勝負を挑むが、敗れてしまう。松木の態度に改めてサッカ-に惚れ込んだ真吾は、己れの赤き血をこのスポ-ツで燃やすことを誓う。松木の厳しい指導の下、新生イレブンの結束は固まり、サッカ-部解散の危機も乗り越えた。そして県大会、数々の強豪チ-ムを打ち敗り見事国体へ出場を果たす。しかし、突如明かされた出生の秘密に真吾は激しいショックを受ける。だが、亡き実の父の悲願を果たそうと不屈の闘志で優勝を勝ち取る。その後新生イレブンは、高校選手権、全日本の栄冠も手にして名実ともにNo.1の座に付いた。使命を果たした松木は新たな目標に、日本初のプロ・サッカーチ-ムの結成を目指す。もちろん真吾もそのメンバ-に加わることを決める。新たなサッカ-人生に向かって真吾は今、高々とボ-ルを蹴り挙げた!

電子書籍 未刊行
単行本:
少年画報社刊/ヒットコミックス全6巻

廣済堂刊/廣済堂コミックス全5巻

少年画報社刊/ヤングキングコミックス全6巻


「都会そだちのよわむしのぼくが みしらぬアフリカのサバンナで野生のライオンのとなりにすわっている これはいったいどうしたということなんだ」

キリマンジャロの風」
(画:石川 球太)

ぼくらマガジン連載/1970.15/16号~17号
TVカメラマンの父に連れられて、番組撮影のロケ地・アフリカを訪れたマサオ少年。彼はタンザニア・アンセボリ野獣保護地での撮影中、ひとり残ったロケ車の中で、怪我をしたライオンを見る。その晩、レンジャー部隊から近くの黒人が襲われていた報告が入る。犯人があのライオンだったことを知りマサオは驚く。翌日、追跡に出たレンジャー部隊に同行するマサオの父達。ライオンが気になるマサオも、こっそりついていく。現場に散乱する黒人の遺体。捜索と撮影が行われるなか、ひとり残ったマサオの前にまたもあのライオンが現れた!気絶し、茂みに連れ去れてしまうマサオ。気付いた彼が目にしたのはライオンの足に刺さったヤマアラシのトゲだった。ライオンの意図を知り、恐る恐るそれを抜き取るマサオ。互いに通いあうものを感じたのもつかの間、捜索にきたレンジャー部隊の銃がライオンを打ち抜いた!手負いのまま逃げるが、流れ出た血の匂いをたくさんのリカオン(アフリカの山犬)達に嗅ぎ付けられたライオンの末路は“死”あるのみ。噛み付かれ、肉を貪られたのち無惨な遺体となった。少年が初めて見る大自然の掟は、彼の心に何を残したのだろうか…。
電子書籍 未刊行
単行本:
マンガショップ刊:マンガショップシリーズ(118)「魔犬ムサシ」に収録


「そうだ!!ちょうど夜明けの精か のぼりゆく朝日の化身のように あのすばらしい少女は…青春の夜明けをむかえたおれたちの ゆくてに出現したのだ!!」

「朝日の恋人」
(画:かざま 鋭二)

週刊少年チャンピオン連載/1970.14号~1971.21号迄
(1971.24号~「太陽の恋人」。1972.5号~「夕日の恋人」に改題)
都立港高校の1年生として、青春の入り口に立った坂本征二の前に現われた美少女・天地真理。ホーム下に転落した見知らぬ子供の命を、身を投げ出して救い何の見返りを求めない無償の愛の精神を持ち、スポーツも万能である彼女は、征二だけではなく学校中の男性達を魅了した。実は真理の行為には理由があった。彼女は関東一帯に二千人の子分をほこる大暴力団・朱紋組の組長の娘であり、そのことを自らの十字架として背負うが故の行為だったのだ。ある日、その抗争の犠牲となり征二が怪我を負った事により、真理が暴力団の娘という事実が知れわたるや学園中が騒然となる。学園のアイドルが一転して仲間はずれにされるが、奥多摩キャンプで激流に巻き込まれた征二達を命をかけて救った事によって、みんなとは和解、真理の機転で朱紋組は解散し、彼女に明るい学園生活が戻った。その後、元朱紋組の幹部の息子・伊達竜次、上級の転校生・南条由実との間に様々な事件が巻き起こる。征二は、それらの事にも無償の愛の精神で応える真理の行動や言動をカガミとして、男の条件や青春の条件を追求してゆくのだ。やがて3月。征二にとって、高校進学という青春の朝に出会った天地真理という朝日の恋人との高校生活一年目は過ぎようとしていた。
電子書籍 未刊行
単行本:
秋田書店刊:少年チャンピオンコミックス全4巻
※第4巻P37迄が「朝日の恋人」、以降が「太陽の恋人」
チクマ秀版社刊:もん・りいぶる 上下巻
※連載開始〜ラスト2話前までを収録


きみは野獣の弟だ!!あいつぐからぶりの中に メチャクチャなフォームの中におそるべき野性のにおい かぎりなき可能性をぼくはかいだ!!」

「野獣の弟」
(画:石井 いさみ)
中一コース/1970.4月号~1971.3月号→中ニコース連載/1971.4月号~1972.3月号
●海童猛巳。巨人軍がトレーニングする多摩川グランドに突如現れたこの少年。彼の素人ながらも未完の才能に目を付けた長島茂雄は、自分の後継者に選びスカウト。本場の野球を経験させようと、アメリカへ送り出し大リーグに入団させる。激しい生存競争と厳しい特訓を、野獣の精神で次々と克服していく猛巳は遂に試合出場を果たし、大活躍。そんな彼に長島から帰国の指令が下った。伊豆の自主トレで最終テストに合格した猛巳は、川上監督の目の前で巨人の2軍相手にド肝を抜くプレーを見せ、異例の1軍選手として入団を果たした!奇跡のルーキーは、代打要員として昭和46年のペナントに出場し、観客の賞賛を浴びる。そんな彼の前に中日の投手・大利根豪が現れる。海童潰しの秘密兵器である彼に一度は敗れるが、悔しさをバネに磨いた野獣の牙と長島のアドバイスによって雪辱を果たす。そして巨人の7連覇でペナントは終了、オフシーズンには大リーグのオリオールズとの日米親善試合が行われた。大リーグのパワーにメンバーが圧倒される中、長島だけがそれを凌駕した!代打で出場した猛巳は凡打に終わる。今日の結果は敗北となろうと、悲願の日米ワールドシリーズ実現の日まで、真の野獣の後継者たらんと海童猛巳の死闘は続くのだ!
電子書籍 全2巻 青春編 怒涛編
単行本:

ダイナミックコミックス全2巻


「きみは…きみの家庭において、きみのおとうさんの顔を、あるいは、おにいさんの顔を その半分しかみていない。のこり半分の顔をこのドラマがみせてあげよう。会社という名の戦場において、きずつき血にまみれるおそろしい顔を!きみ自身の未来の姿を!」
「人生二勝一敗」
(画:聖 日出夫)

週刊少年ジャンプ連載/1970.20号~1971.13号
誤って面接を受けた会社「ハヤブサ自動車」に入社が決まったフレッシュマン・東日出人。二勝一敗主義を信条にカーセールスに奮闘の毎日をおくる彼の周りには、百戦百勝主義のライバル・三波鏡介や密かに声援する朝野カオリの存在があった。ライバル社のサン自動車とのオリオンタクシー新車発注を巡る戦いや無公害エンジンの開発を巡る非情なビジネス戦争の中で日出人は社会の厳しさを学んでゆく。その後、更なる飛躍を求めて「ロバート貿易」に転職。ここでも仕事を出す側と受ける側の問題やしたたかなる情報戦争も日出人は持ち前のガッツで乗り越える。ある日、社長自らの指令でアメリカへ飛び、開発されたばかりのおもちゃ「レスリングドールX」の日本販売契約を結ぼうとする。しかしここでもライバル社の策略にあい、先に契約を交わされてしまった。彼等が「レスリングドールX」を女性に作り替え大人に販売すると酒場で偶然耳にした日出人は怒り乱闘騒ぎを起こしてしまう。意気消沈して帰国した日出人を社長は叱らずに逆襲の機会を与えた。黒金貿易の新製品の発表会場に現れて、その商品開発の不備を指摘、使う人の目線に立って改良を加えた商品で場内を納得させ見事契約を奪い取った。東日出人の二勝一敗に栄光あれ!

単行本:電子書籍含め未刊行


「世の中には、きみたちの人生には、あの剣法を無視した…騒音のごとく、さまざまな障害が横たわる…公害あり、道徳の低下あり、甘い毒をふくんだ誘惑あり…むろん、それに同調しては話にならんが、逃げるのもいかん!!(中略)より男らしい態度は 悪の根元を正すこと!!」

「おとこ道」
(画:矢口 高雄)
週刊少年サンデー連載/1970.35号~1971.24号

●相馬富士男。彼の出生は波瀾に満ちていた。戦後の混乱期、反骨と義侠の精神でヤクザの親分になった父・銀次郎と、不良外人の魔手に舌を噛み切って逃れようとした気高い魂を持つ母の間に生まれる。しかし、破門になった元子分のさしがねで殺し屋に命を奪われ、そのショックで母も死んでしまったのだ。死に際の母の願いにより組は解散。富士男は老子分・毘紗門源造と共に彼の故郷である山梨の寒村で育てられたのだった。源造の徹底したヤクザ教育により、手のつけられない悪童に育った富士男だが一人の新任教師・江波との出会いにより、人間として少しづつ成長してゆく。やがて中学生となった富士男は担任の女教師・津川桂子に恋をする。だが彼女こそ、富士男の父を殺した元子分の娘だったのだ!富士男に想いを寄せる少女・マユミの嫉妬からその事実が富士男の知る事となり、怒りに燃えた彼は復讐を決意、東京へ向かった!警官の拳銃を奪い桂子の父を殺そうとするが、追いかけてきた彼女と江波の必死の説得により復讐を諦め逮捕される。人間不信に陥った富士男を救ったのは、江波が連れてきた佐倉という牧師だった。彼の語る人間愛の素晴らしさに打たれた富士男は、釈放後に佐倉の私塾・あすなろう塾に入る。「和魂洋才」をモットーとする学園で、多くの先輩達に扱かれ学び、富士男は心身ともにたくましく成長していく…。

電子書籍 全2巻
単行本:

秋田書店刊/サンデーコミックス全1巻(未完)

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全2巻(未完~1971.16号迄)

道出版刊/「梶原一騎原作漫画傑作選」全2巻(完結)


「夏休みはまだ長い 健康な太陽のもとの日々が おたがいの心の傷を すぐいやしてくれることだろう」

「城と太陽と名探偵」
(画:横山 光輝)

高一時代/1970.8月号読切

●夏休みを真近に控えた霧ヶ丘高校のあるクラスで、事件が起きた。担任の男子教師・藤永へ匿名のラブレターが送られたのだ。自らを隠すため左手で書かれてある事に、不快な藤永はクラスの中に犯人がいると考え、生徒達の前で全文を読み上げる。藤永の帰郷先の名所・松本城について詳しく書かれていた事から、祖母が近く住んでいる女生徒の三沢が怪しまれる。その後、クラスメートが白い視線をむける中、中学時代からの男子同級生・吉本だけは彼女の無実を信じる。何かを思い付いた三沢は彼を誘い、松本城を訪れた。そこで2人は、意外にも城の外観や立地状況がラブレターに書かれていたのと、違っている事に気付く。犯人は半端な知識で、彼女を陥れようとしたのだ。実は、クラスで騒ぎのあった時に持ってきたラジカセで生徒達の声を録音していた三沢は、その中で文面と同じく城に関して誤った認識を話す人物に気付いていた。それは吉本だ。その事を告げると、吉本は自分のしたことを素直に認める。中学の頃から三沢に好意を寄せていた彼は、彼女が藤永と仲良かったことに嫉妬して行ったことだった。三沢は藤永への謝罪を条件に全てを水に流すことする。和解した2人に、夏の太陽は眩しく輝いていた。

電子書籍 未刊行
単行本:
潮出版社刊「横山光輝超絶レアコレクション」に収録


「伝統ある名門エリート・巨人を叩くからにはこっちも人間の内容を叩き直し、まず格負けせんこっちゃ つまり大女優を抱いて寝る夢を果たす男にならにゃ名門・巨人と対等のケンカはでけへん!!」

「金田正一物語・どあほう一念!!400勝」
(画:菅原 卓也)
漫画ゴラク/1970.11/17号~1971.3/5号(全10回)
●貧しい境遇の中、好きな野球で身を立てたい金田正一は国鉄スワローズのスカウトを受けて入団。期待の大物ルーキーとしての待遇と不敵な態度は、先輩選手に反感を募らせた。チーム内での孤立無援状態。だが金田はどこ吹く風だ。昭和25年。ノーコンだがめっぽう速い速球投手としてデビュー1年目をまずまずの成績で終えた金田。その後もエースとして活躍を続けるが、徹底したマスコミの巨人びいきによって自身の扱いが低いことに怒りを募らせた。その怒りはマウンドの上で闘志となり、対巨人戦では特に敵意を燃やし投げ続けた。だが思うようには勝てなかった。その要因を自身の品格や意識の差にあると気付いた金田は、野球生活にも私生活にも心境著しい努力を重ねる。その後、盟友・力道山との縁で知り合った有名歌手と結婚、大投手として成長した金田はまさに順風満帆であった。一方、金田の脅威に対抗すべく巨人は立教大学から長島茂雄を獲得。昭和33年のペナント開幕戦において伝説となる長島との初対決が実現。4打席4三振を奪い圧勝に終わった金田は、しかし長島のバッティングにただならぬものを感じていた。そして翌年、巨人入りを果たした王貞治に対しても金田は力の差を見せつける。以降数年“天皇”と呼ばれ球界に君臨した金田にも翳りが見えはじめる。向えた年令的な下り坂に抗いつつも数々の記録を打ち立てた金田。昭和40年、15年選手の特権により宿敵・巨人に移籍した。挑戦者としての野球から王者の一員としての野球生活。その姿はいかな活躍をしても以前の金田とは別人であろう。その後、昭和45年に400勝を達成し現役を引退した。

電子書籍 未刊行
単行本:

漫画ゴラク・コミックス(11)


1971


「空手、プロレスのたぐいはあまっちょろいルールに守られたサル芝居!!ルール無用の…命のやりとり!けんかだけが男の勝負なんだぜ!!」

「ケンカの聖書」
(画:石井 いさみ)
週刊少年サンデー/1971.1号~53号
●空手家・甲賀正清がニューヨークで出逢った青年、吉良旭。広島の原爆で両親を亡くした事でアメリカ人を憎み、ケンカによる勝利を自身の存在の証明としていた旭に、その宿敵たる人物・ライトヘビー級チャンピオン、プリンス=スターが現れた。スターと戦う為に甲賀と組みプロレスのリングに立つ旭は対戦の条件である3人のレスラーにケンカ殺法で勝利する。そして実現したスターとの対決は彼の必殺技スカル・ブレークにより敗北する。しかし、捨て身の反撃でダメージを受けた事でプライドを傷つけられた事で今度は日本に舞台を移し2度めの対決が行われた。両親のカタキを打とうと決死の旭は日本刀を使うと言う大反則でスターを圧倒する。日本プロレスの帝王・力王山の制止により試合は中止された。力王山の迫力を前にして自分以上の力の持ち主と悟った旭は今度は彼を倒す事に自身の証明をかけることを決める。プロレス団体を設立し挑戦を仕掛ける旭だったが、彼の素顔を知り完全な負けを認めた上で、自宅マンションのエレベーターで待ち伏せ一か八かのケンカ勝負を挑む。力王山の圧倒的な力の前に死を覚悟した旭だったが、予期せぬ第3者によって力王山は倒れる。このようにいつ何が起こるか予期できぬケンカから早く手を引く事を告げて…。5年後、波止場で甲賀と二人で働く旭は、力王山がチンピラとのイザコザで刺されて死亡した事を知った。「オレのたどるはずの運命を、この男がたどった」つぶやく旭は、ささやかだが、それなりの充実した日々を送っていた。

電子書籍 全5巻
単行本:

若木書房刊/コミックメイト全5巻(原作クレジットは高森朝雄)

双葉社刊/パワァコミック全5巻


「しかしこの星伴太郎 だんじて 水清くして魚棲まず 清濁あわせて呑む そのたぐいのイヤらしいオトナの知恵とやらには妥協しませんぞ!」

「猪突猛進記者」
(画:荘司 としお)
公明新聞・日曜版連載/1971.1/10~12/26(全51回)
新聞社「東都日報」の新米記者・星伴太郎は持ち前の正義感で、大広告主の御曹子つるし上げ事件、暴力団乱闘事件など入社初日からトラブルを連発する。局長を伴っての謝罪の場でも、自らの信念を決して曲げず謝らなかった。オトナの悲哀を痛感したその晩、馴染みの飲み屋で痛飲した伴太郎。その翌日、出社した彼の前に現れた刑事に突然取り押さえられる。乱闘事件の2人組の暴力団が死体となって発見されたのだ。伴太郎の容疑は、飲み屋のおかみさんの証言によって晴れるが、そこに事件の匂いをかいだ彼は調査を開始。決死の潜入捜査とカラテの技で見事事件を解決し局長賞を貰うのであった。伴太郎が記者になって数カ月が過ぎたある日、土地成金の若い後妻が殺される事件が発生。さっそく取材に出かけた伴太郎が、現場で出逢った少年。被害者の孫にあたる彼の思いつめた様子に気付いた伴太郎は密かに後をつける。途中で買った包丁で、後妻の愛人のバンドマスターを殺そうとするのを間一髪で止めて少年から事情を聞いた伴太郎。事件の背景には土地ブームでにわか成金になった大人達の欲望のもつれが原因だった。事件解決後、伴太郎は少年に苦労せずに築いたお金よりも、大きな人間愛を築くことを願う。素直にうなずく少年の瞳には夕焼けが赤々と燃えているのだった。
電子書籍 全2巻大合本 全1巻
単行本:

サンケイコミックス全1巻(「熱血モーレツ記者」に改題)


「千代ちゃん 柔道は なにかの目的のためにやるんじゃない! むしろ りっぱに死ねるためにやるんだ いつでもりっぱに死ねる心構えが りっぱに生きる道にもつながるんだよ」

「柔道一直線/鬼車青春双六」
(画:斎藤 ゆずる)
週刊少年キング/1971.4/5号 
昭和20年。大平洋戦争が続く中、講道館に席を置く車周作は、天下無敵の鬼車と呼ばれ恐れられる存在だった。ある日、敵機の襲来を受けた彼は、逃げ遅れた少女を救う。それがキッカケとなり、少女・千代と周作の交流が始まった。誰の身にも“死”が近かったこの時代、鬼神も顔をそむける周作の凄まじい猛稽古を見つめる千代は生きることの何かを感じていた。戦局が悪化していく中、戦意高揚の為の奉納試合が行われた。下馬評通り連戦連勝を重ね決勝まで勝ち進んだ周作。対戦相手は彼の3倍の体格を持つ大男だ。連戦の疲労で、スピードが鈍った周作は相手の重量技に初の苦戦を強いられる。自らの勝利を確信し突進してくる相手を見た瞬間、周作の脳裏に閃くものがあった。それは千代を空襲から救った時に使った受身の応用技だ。咄嗟に相手の懐に飛び込むと、その突進力を利用し1回転!相手の頭部を叩き付けた!これこそが後の車周作の代名詞・必殺“地獄車”開眼の瞬間であった。その年の夏、日本降伏。敗戦の空しさに打ちひしが れる周作の前に、千代の母が現れた。学童疎開していた彼女が栄養失調で死んだという。だが、周作の生き方に感化された千代は、自らの目的のために死ぬ日まで勉強をやめなかったのだ。その事を聞いて以来、周作は再び柔道一直線の熱情を甦らせた。のちに彼が出逢う愛弟子・一条直也はあるいは千代の生まれ変わりかもしれない…。
電子書籍 未刊行
単行本:

ネコパブリック刊/完全復刻版 ※7巻に収録


「打つ!ただひたすらに…死んでも連打する!そこから当然の結果とは違う何かが生まれる…過去もそうだったように!」

「ファイティング原田物語・挑戦!!連打する男」
(画:菅原 卓也)
漫画ゴラク連載/1971.3/15号~6/15号(全10回)

●病床の父を抱え、貧しさのどん底にいた中学生の原田政彦。そのコンプレックス故の動機から、近所にあった笹崎ジムに入門しボクシングを始めた。彼の上昇志向・ハングリースピリットに目をつけた会長の笹崎は原田を徹底的にしごいた。多くの優勝候補を下し見事新人王を獲得した原田はリングネームを“ファイティング原田”として連勝街道をばく進。だが更なる原田の飛躍を求める会長が仕組んだ一階級上の世界ランカーとの対戦で、連勝記録はストップ。しかし初の敗北に腐ることなく世界チャンピオンとの対戦に見事勝利。減量苦を乗り越え、新たな目標としてバンタム転向を果たした原田はまたもチャンピオンとなり二階級制覇を成し遂げた。拳闘界のスターとなった原田。しかしその王座を維持するには、前階級時を上回る厳しい減量苦に勝たねばならなかった。が、防衛戦での判定負けによる失踪。マスコミを始め誰もが引退を思った。しかし彼は三たび立ち上がった!今度はフェザー級に上がる事を決意。会長との特訓の日々が再び始まった。だが過去の過酷な減量が肉体を蝕んでいた。一度は接戦した相手に無惨にKOされた原田はついに現役引退を決意。リングに鳴り渡るテンカウントゴングを聴きながら、自らの青春の戦いの日々を思い返すのだった。

単行本:電子書籍含め未刊行


「いや おれは日本柔道を命より愛しているから こればかりはゆずれん!!  恋はゆずったが…」

「柔道一直線/鬼車の子守り歌」
(画:斎藤 ゆずる)
週刊少年キング/1971.14/15~16号
日本が敗戦の痛手から立ち直りはじめた昭和28年。講道館に復帰した車周作は、花見の場で起した黒人兵との乱闘事件が元で、親友・丸井豪平と仲違いをしてしまう。周作が主張する“技”の柔道と、丸井の主張する“力”の柔道。食い違う互いの主張に加え、ミス講道館・吉野光子を巡る三角関係が事態をより深刻なものにしていった。周作の考えは、講道館の中では理解されず次第に孤立していく。ある日、丸井から求婚された光子は周作に相談を持ちかける。彼女の気持ちは周作にあったのだ!しかし、我が身を柔道に捧げた周作は、親友の為にもあえて身を引く事にする。やがて丸井と光子は結婚、一子の円太郎も授かった。だが丸井の、周作に対する敵意は消え去らない。昭和30年度の選手権東京代表の座をかけて周作と丸井は対決することになった。互いの主義をかけた激突を控えた前日、周作に元へ光子が訪れた。主人の身体を案じた彼女から、地獄車を使わないで欲しいと懇願されてしまう…。そして対決の日!丸井の怪力に苦戦を強いられる周作は、自分が選んだ柔の道を裏切れず、地獄車を使ったばかりか丸井を死に至らしめてしまった!その日以来、柔道界から姿を消した周作は、名を隠し丸井家に生活費を仕送り続ける。彼の子供・円太郎のまぼろしを背負い、子守歌を歌い続けながら…。
単行本:

ネコパブリック刊/完全復刻版 ※7巻に収録


「車さん あんたはおれのもとをさっても おれの五体にのこした地獄車が この新しい弟子をくだくっ!! そういうさだめだったのか おれたち師弟は!!」

「柔道一直線/大完結編」
(画:斎藤 ゆずる)
週刊少年キング/1971.18号
●インターナショナル青少年柔道大会、準決勝戦。一条直也は優勝候補のロック・ゴードンと相まみえた。直也の元恩師だった車周作は、彼を裏切り“地獄車”破りの秘策をゴードンに授けていたのだ!試合は序盤から激しい攻防を繰り広げる。素晴らしい好敵手との闘いに直也の心はやがて充実感に包まれていった。無念無想。この境地に達した直也と、“地獄車”を仕掛けてこないことに焦るゴートン。勝敗の行方は、この2人の心理状態の差で決まった。技を仕掛けさせるための、ゴードンの不自然な突進に逆らうことなく一本背負いで勝負を決めた!技に頼らない自然に流れる柔道を身につけた直也に、周作は素直に敗北を認め、会場から姿を消した…。決勝戦、赤月旭を下して優勝の栄冠を手にした直也達に、パリで開かれる世界柔道選手権大会に選手団として派遣されることが決定する。数週間後、世界柔道選手権大会の様子がTVで流れていた。うらぶれた飲み屋で深酒をあおる周作は、外人記者団からリトル・ジャイアントと讃えられる一条直也の勇姿を、満足げに見つながら息を引き取る。その死に顔には幸福に包まれているように見える。席には、酒でかかれた“一直線”の文字が書かれてあった…。

電子書籍 未刊行
単行本:

JICC出版局(現:宝島社)刊/「いきなり最終回2」に収録

ネコパブリック刊/完全復刻版 ※7巻に収録


「真理にあこがれひたすら女神のごとく うやまうばかりだった過去… ここらで一ぱつ男の強さすごさ見せてやるのも必要じゃないのか!?そこに未知の青春の門 対等の恋もひらけるんじゃないのか!? 」

「太陽の恋人」
(画:かざま 鋭二)
週刊少年チャンピオン/1971.24号~53号
●征二は高2に進学。しかも憧れの真理とまた同じクラスなので充実した学園生活を過ごしていた。だがある日、真理を中心として誕生する女子バレー部を、より鍛え上げる為の私設男子バレー部の中心人物に征二が選ばれた。一度は断わるも、ただ憧れるのではなく時には相手と対等に向き合う事も必要と気付き申し出を受けるのだった。一方そうとも知らず結成された女子バレー部だったが、猛練習を重ねていくなかでチーム内に不協和音が流れだしてきた。原因は真理が4時になると一人練習を終え帰ってしまう事に発していた。チームメイトの反発が高まる中真相を確かめようと後をつけた征二が見たのは、当時社会問題となっていた寝たきり老人達の世話をする真理の姿だった。自らの生い立ちを恥じて献身的に尽くす真理の姿にうたれた征二は私設チームの存在を話し、試合の延期を提案するが逆に彼女を怒らせてしまう。かくして試合は行われた。練習不足がたたり集中攻撃を受け、失点を重ねる真理だがサーブの出番になると鮮やかなサーブを決め試合を盛り返す。観戦していたOBの証言で実は介護を終えた後、深夜の河原で一人サーブの練習をしていた事が分かったのだ。自分の出来うる全ての事に懸命に努力をする真理の行動を知り、皆の誤解は解ける。そして自分が恋する女性の素晴しさを改めて知った征二はその気持ちを誤魔化すためヘタクソな口笛を吹くのだった…。

電子書籍 未刊行

単行本:

秋田書店刊/少年チャンピオンコミックス「朝日の恋人」※4巻途中から収録(未完)


「これは事実談であり…この男は実在する!!」

「空手バカ一代」
(画:つのだ じろう・影丸 譲也)
週刊少年マガジン/1971.22号~1973.44号迄(第1部~第3部)、1973.48号~1977.52号迄(第4部~第6部)

 

第1部:超人追究編 1971.22号~1972.3/4合併号
第2部:無限血闘編 1972.5号~
1972.39号
第3部:悲願熱涙編 1972.40号~1973.44号
第4部:昭和武蔵編 1973.48号~1974.53号
第5部:空手巌流島編 1975.2号~1976.17号
第6部:世界制覇編 1976.18号~1977.52号

●昭和20年。特攻隊の生き残りとして復員した大山倍達は、愚連隊用心棒として自堕落な過ごして日々を過ごしていたが偶然読んだ「宮本武蔵」の小説により人生に開眼する。武蔵を師と仰ぎ、生涯彼が追い求めた剣の道を“空手”に置き換えて超人追及の道を歩む決意に燃える。孤独な山籠もりを経て戦後初の全日本空手選手権で優勝を果たすも、桁外れの強さに邪道空手の誹りを受け空手界の異端児となる。新天地を求め渡米した倍達を待ち受けていたのはプロレスラーやプロボクサーとの死闘の日々だった。彼の超人的な強さを認めたFBIから空手指導の依頼された事から運命は好転する。帰国後は道場を築き、集った弟子の育成に力を注ぎながら執筆した指南本「WHAT IS KARATE」が世界的ベストセラーになる。今や極真カラテの名は日本を拠点に世界中へ広がっていった。国際空手道連盟極真会館を設立し総本部を建てた倍達は悲願の全世界空手道選手権大会を開催。各国の強豪が集まるなか、開催国である日本の選手が優勝出来なければ倍達は「切腹」すると宣言。人々の注目をあつめ連日大盛況の大会は、日本選手が初代世界チャンピオンとなり大成功を収めた。更なる精進と極真カラテ永久不敗を倍達は読者に誓うのであった。

電子書籍 未刊行

単行本:

講談社刊/KCコミックス全29巻

講談社刊/KCスペシャル全17巻

講談社刊/KCデラックス全8巻

講談社刊/KCコミックス全29巻(※完全復刻版)

講談社刊/講談社漫画文庫全17巻

講談社刊/KPC版全10巻(第1部~第3部まで)


「獣の無心の食欲こそがまこと外道剣!食うように斬るッ!食って生きるごとく斬って生きる!!」

「斬殺者」
(画:小島 剛夕)
週刊漫画ゴラク/1971.8/19号~1972.9/7号
●若き野心家・無門鬼千代には、宮本武蔵を斬る事で自身の名をとどろかせ富みと地位を手に入れようという野望があった。しかし戦いの結果は軽くあしらわれ、逆にプライドを傷つけられた鬼千代。彼は武蔵の実力を恐れる将軍家ご指南役・柳生宗矩の策により偽武蔵として極悪非道を働き、捕らえられてしまう。その危機を武蔵に救われた鬼千代は外道剣の極意を悟り、スペインから来た司令官・ヴィスカイノに弟子入りしフェンシングを教わる事で日本刀との変則2刀流を身につけ、その力で旗本にまで出世してゆく。一方老いてゆく身を案じ、将軍家ご指南役の職に付こうとした武蔵だが、柳生の陰謀により阻まれてしまう。それを知った武蔵は激怒!柳生に果たし合いを申し込んだ。力の差を感じた柳生は、武蔵を慕うキリシタンのお吟を人質にとる。お吟を愛する鬼千代は、戦いを避けるよう武蔵を説得する。仲間を救う為に自ら捕われたお吟の無償の愛の行為に心打たれた武蔵は、柳生との試合を取り止める事を条件に、お吟を自分の故郷へ解放させる。未練と知りながら後を付ける鬼千代は、再会を喜ぶ2人に銃を向ける復讐者を見つけ思わず身を盾に彼等を庇う。深い傷を負った鬼千代の姿に、彼のお吟に対する愛に気付いた武蔵。自ら身を引く事を決めお吟に鬼千代を託すと、再び剣の道を極めんと何処となく去っていくのであった…。

電子書籍 全4巻

単行本:

日本文芸社刊/漫画ゴラク・コミックス全4冊(No14.18.23.25)

日本文芸社刊/ゴラクコミックス全4巻

日本文芸社刊/ゴラクコミックス全6巻(赤版)

日本文芸社刊/ゴラクコミックス全6巻(紫版)

サンケイ出版刊/梶原一騎傑作全集全5巻

講談社刊/KCスペシャル全4巻

ソフトマジック刊/マジカルコミックス上・下巻

講談社刊/講談社漫画文庫 全3巻

双葉社刊/6コインスオリジナル 全4巻


「オレは強いもの でっかくふんぞりかえってるやつをみると 無性にカッカと燃える ヘッ 因果なたちよ!!」

「侍ジャイアンツ」
(画:井上 コオ)

週刊少年ジャンプ/
1971.36号~1973.32号(第1部)

曙の章/1971.36~47号

風雲の章/1971.48号~1972.8号

開幕の章/1972.9~17号

執念の章/1972.18~26号

友愛の章/1972.27~36号

血闘の章/1972.37~53号

魔球の章/1973.1号~20号

不死鳥の章/1973.21~32号 ※33~37号休載

1973.38号~1974.42号(第2部)

大噴火の章/1973.38号~1974.11号 ※12~14号休載

血風の章/1974.15~33号 ※19号休載

V10試練の章/1974.34~42号

●昭和45年。6連続のリーグ優勝を果たした巨人軍の川上監督は、未来のチームの為にサムライの魂を持った野性的な男を入団させた。その名も番場蛮!荒々しい打撃センスと殺人ノーコン、デッドボールを顔面に受けてもビクともしないガッツ溢れる男だ。入団1年目、ヤクルト入団した同郷のライバル眉月光・大リーグから番場を追って阪神に入団したウルフ・チーフとの激闘を繰り返し、巨人は7連覇を達成した。翌年、新たなライバル中日の大砲万作も加わり戦いは熾烈を増し、番場は投手生命に関わる欠点を暴かれるも、それを克服しハイジャンプ魔球を編み出す。以降、大回転魔球やハイジャンプ大回転魔球と新魔球を誕生させ、チームの原動力として8連、そして前人未到の9連覇へと導く。そして昭和49年、10連覇をかけた切り札、ハラキリシュートが使用不能となり、チームは不調に喘ぐ。しかし番場は逆転優勝をあきらめなかった、命を削る禁断の魔球・分身魔球をひっさげ、再び戦線に復帰。天王山の対中日戦で3連投で3連勝を達成した瞬間、己の肉体の限界を越えて投げ続けた事で心臓マヒを起こしてマウンド上で死んでしまう。「サムライは己を知る者のために死す」かくして番場蛮は巨人軍の栄光を守る為に自らの命を投げ出したのである。

電子書籍 全16巻
単行本:

集英社刊/ジャンプコミックス 全16巻※全集には載っていないページがある。

サンケイ出版刊/梶原一騎傑作全集 全12巻※JCでカットされたコマが多数確認される。

講談社/講談社漫画文庫 全8巻

道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全8巻

新潮社刊/バンチワールドコミックス 全7巻 ※道出版のダイジェスト編集版


1972


「人間の誠意とはすべてをなげうってこそ はじめて成立するもの。」

「夕日の恋人」
(画:かざま 鋭二)
週刊少年チャンピオン/1972.5号~15号迄「太陽の恋人」改題
養父・政五郎の暗殺事件が原因で起った、黒崎組と元・朱紋組との抗争事件。一切の責任を感じた天地真理は、高校を退学して神戸で屋台を引いていた。彼女の所在を知った坂口征二も後を追いかける。波止場の労務者達に愛されて暮らす真理の姿を見て、説得を諦めた征二。しかし、彼女の友人の手助けで流しの歌い手を引き受けた事から、新たな運命が動いた。ある酒場に居合わせた大賀というレコード業界の大御所に認められた真理は、歌手にスカウトされた。るすを守る元・朱紋組の家族に稼いだお金を与えようと真理は歌手として懸命に活動し、瞬く間にトップアイドルの座に上り詰める。しかし、抗争事件で命を落とした黒崎組組長の息子・竜介は、真理を恨み、彼女の過去をゴシップ雑誌に書かせた。スキャンダルによってアイドルの座から転落した真理。怒る征二と馬場修平は編集部に殴り込み留置場に送られる。だが、夕日は闇に沈まなかった。かつてのクラスメート達の街頭演説や元・朱紋組の留守家族達がワイドショーに出演し真理の真の姿を世間に訴えた事で、再び人気者になった真理だが突然引退を発表。最後のステージを終えると、征二達の高校に復学する。実は彼女の仕送りで元・朱紋組の留守家族がスーパーを営み自立出来た事を知ったからだ。再び真理との学園生活が始まる。その喜びを噛み締めながら征二、馬場、芳村の3人は家路へ向かうのだった。

単行本:電子書籍含め未刊行


「そう…口先でならなんとでもいえるし 他人の痛みは痛くない 人間わが身を死ぬほど痛めて それでもなお理想をおこなえてこそ その理想は本物となる」

「剣は道なり」
(画:荘司 としお)
週刊少年チャンピオン/1972.17号~36号
●時は幕末。将来を嘱望された兄を理不尽な理由で殺された過去から、剣は人斬り術でただ己が強くあれば良いと世を拗ねて生きてきた少年・榊原健吉。その態度と行動から入門する道場は数日で破門となる有り様だ。だが、ある偶然から凄腕だが赤貧の道場主・男谷精一郎と出逢った事で彼の人生は変わってゆく。男谷は明日の日本の人材を剣の道で育てようと、幕府新設立の大道場の所長の座を目指す。大会に参加する健吉、盟友・山田次朗吉たち弟子への特訓の成果も実り、順調に勝ち進んでいった。しかし、彼等への妨害を企む一派の卑劣な罠に嵌った健吉は、大事な決勝戦に参加出来なくなった。健吉の不在を乗り切り、男谷道場は見事所長の座を勝ちとり、己を恥じた健吉は自ら破門を決め、江戸を去っていく…。やがて時代は明治となり、文明開化の前に剣術は過去のものとなった。苦悩の末、大道芸に身を落とした健吉だが、剣士としての彼の信念と腕前は、剣聖・山岡鉄太郎との新たなる出逢いを産んだ。山岡の推薦で天皇家の剣術指南役となった健吉は、剣道道場を設立。人斬りの術だった剣術を、現代スポーツの剣道として花開かせることになってゆくのであった。

電子書籍 全2巻
単行本:マンガショップ刊/マンガショップシリーズ (196)全1巻


「男を成長させるものは、なまじの味方との平和よりも、すぐれた敵との激闘の嵐である!!」

「柔道讃歌」
(画:貝塚 ひろし)
週刊少年サンデー連載/1972.21号~1975.14号
●千葉の九十九里で漁師を営む巴輝子とその子供の突進太。地元の人々から「母子シャチ」と呼ばれる気性の激しい2人親子だ。実は昔、柔道家だった輝子は講道館の女三四郎と言われる天才少女だった。しかし己の実力を立証するために男子柔道家に勝負を挑み、巴投げで勝利したが規律を乱した罪で追放される。高校生となった突進太は、その事実を知り母が果たせなかった柔の道を目指し柔道部に入部する。だが巴親子の因縁は続いていた!突進太が入部した柔道のコーチ・利鎌竜平こそ、母・輝子に敗れ悲惨な死を遂げた柔道家の弟だったのだ。しかし過去の私怨を捨て、突進太の才能に目を付けた竜平は彼を厳しく鍛え育てる。体はチビだが自前の根性と母親ゆずりの巴投げを武器に、また帯刀省吾や天童高志等のライバル達との死闘の中で大きく成長する突進太。やがて恩師・利鎌は彼の元を去り今後は敵となって立ちはだかる。鬼道塾という柔道団体を立ち上げ、かつてのライバルも門下生となった。一方突進太は講道館に入門、柔道史上最大の技・山嵐を会得する。パリで開かれた世界柔道選手権大会で利鎌と突進太は勝ち進む。そして準決勝、かつての師弟は再び対決した。試合は互いに譲らず、どちらが先に必殺技をかけられるのかが勝敗の別れ目となる。試合の大詰め、突進太は利鎌に「天地返し」をかけさせながら自らも「山嵐」を仕掛ける!必殺技同士の激突の結果は、僅かな差で突進太の勝利となった。しかし彼は力を使い果たし、気を失って倒れしまう。かつての弟子、今や立派な敵となり死力を尽して戦えた事を嬉しく思う利鎌は彼を抱きかかえ、試合場をあとにするのだった…。

電子書籍:全16巻
単行本:

若木書房刊/コミックメイト 全16巻

ホーム社刊/ホーム社漫画文庫 全6巻(途中迄)


「そう用心棒のプロだ!! ただしあくまで素手 鍛えぬいた空手のみを武器とする!」

「ボディガード 牙」
(画:中城 健)
週刊サンケイ連載/1972.10/20号~1974.2/22号
●牙直人。ハイジャック事件や首相襲撃事件の現場に現れ、その凄まじい空手の技で瞬く間に犯人達を叩きのめしたこの男こそ空手道連盟「徹心会」の門下生で、総帥“ゴッドハンド”の大東徹源八段が選んだ唯一の後継者であり、徹源の発案で始めた1件につき前金1千万円で依頼者を必ず素手で守り通すプロ・ボディーガードでもあった。彼の目的は徹心会を邪道空手と評する日本の空手の他流派達や一般の人々にも真の実力を示す事であった。先の事件によるPRが功を奏し牙の元に数々のボディーガードの依頼が舞い込んだ。それらの仕事をこなすなかで牙は、依頼者やそれを襲う者達の裏切や企み・打算等、人間の性の本質を思い知らされる。傷付き血にまみれながらも怒り、時に迷いながらも依頼者を守り抜く牙。ある日、全米空手界の独占を企み、各流派の道場破りを行う新興勢力のブラック・ジャケット一派から道場を守ろうと各流派の代表者の依頼と大東空手の支部を守る為に牙はアメリカへ飛んだ。徹源の知人である陳老人から現地の事情を聞かされ衝撃を受ける。数日後、暴走する牛を一撃で倒し住民を守った事で人気を高める一派の実力に不信を抱き調査を進める内にそれが仕組まれた事だと突き止める。その晩、突如襲った一派を叩きのめした牙の元に姿を表わした黒幕は陳老人であった!紙一重で老人を倒し邪悪な空手戦争に終止符を打った牙に徹源は語る「空手家がゼニを握ろうと思うと万事が狂ってくる。空手まさに…無一物の空手だよ」ボディーガード牙の闘いは続くのである。

電子書籍 未刊行
単行本:

サンケイ出版刊/週刊サンケイ特別増刊全4巻
※タイトルは「ボディガード牙」

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全3巻
※タイトルは「ボディガード牙」

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全5巻
「続カラテ地獄変/ボディガード牙」に改題

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全5巻
タイトルは「カラテ地獄変/ボディガード牙」

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全5巻 ファイナルエディション版
タイトルは「続・カラテ地獄変/ボディガード牙」

講談社刊/KC スペシャル全3巻
「続カラテ地獄変/ボディガード牙」に改題)

※単行本のバージョンによりタイトルの変更や未収録エピソード、落ちカットなどが確認されている。