1977


「これは戦前 戦中 戦後 そして現代につながる日本激動の時代を いちずに 大義と真理の光を血みどろの手にさぐりもとめて生きた兄弟二代 さらには親子二代にわたる青春の絶唱である」

青春山脈 序章 火乃家の兄弟」
週刊少年マガジン連載/1977.15号~1977.50号
「青春山脈」
週刊少年マガジン連載/1978.1号~35号迄
(※1978.1号より「青春山脈」に改題)

(画:かざま 鋭二)
●太平洋戦争で特攻第1号として散った兄を持つ火野正人。激しい兄弟愛ゆえに卒業後、自ら特攻隊に志願し兄の意志を継ごうとするが、戦闘機の故障により失敗。日本の無条件降伏により終戦をむかえる。生きる目的を見失い、自暴自棄から「火乃正一家」を構えヤクザの親分となった正人の心を救ったのは生前兄が愛した女性・水上昌子とその甥・直樹との再会だった。兄に代わって影ながら母子を見守り支える事に生きがいを見つけた正人。だが「火乃正一家」の進出を恐れる「鬼門組」との抗争に水上親子を巻き込んでしまう。組の解散と逮捕・服役という代償を払い抗争は終わったかに見えた、数年後に出所した正人をなおも付け狙う「鬼門組」は「甲賀組」の女組長・魔子を利用して正人殺害を企むが失敗。魔子は正人を、高校生に成長した直樹は魔子を愛してしまう。叔父と甥の愛憎と、因縁の物語は「鬼門組」四代目ブラックローザ・ユキの自らのプライドをかけた死をもってピリオドを打つ。その後魔子と直樹は結ばれ、年老いた正人は彼等が運営するマンションの管理人として余生を過ごしていた。ある日、正人の過去を知ったひ孫の正樹は、それをカサにきて学校で問題を起こしてしまう。騒ぎは住民にまで広がり、全ての責任をとるため生まれ故郷の熊本の阿蘇へ去っていく正人。老いて疲れた彼は亡き兄とともに育った阿蘇山の火口へ身を投げる。それは自殺などではない、つかれたから休む。ただそれだけの事なのだ…。
電子書籍 全12巻
単行本:

KCコミックス全12巻
(「青春山脈」に改題。4巻迄“序章・火乃家の兄弟”とクレジットされている。)

廣済堂コミックス全9巻(「青春山脈」に改題)


「素性など聞いても詮ないこと 琉球王朝の流れをくむ血筋であろうが その辺の乞食であろうが この道を修むるに関わりなしッ ゆえにおまえの名は“鬼”でよい!!」

「拳鬼奔る」
(画:ふくしま政美/ケン月影)
週刊サンケイ連載/1977.4/28号~1978.3/23号
(全45回 ※41回~ケン月影)
1609年、琉球王国を侵略した薩摩藩武士・赤根矢主膳に妹を嬲り殺しにされた王朝の若者は復讐を決意。唐から来た老人から少林拳を習い“鬼”の名を与えられる。主膳を追って薩摩へ渡る為に、武士の女房たちを乗せてきた船を乗っ取るが、追手の軍船に追いつかれ船は沈没。一度は捕われた“鬼”は再び海中へ逃げ、薩摩の漁師に助けられ家にかくまわれる。薩摩に着いた“鬼”は、主膳の屋敷から母娘を連れ出し、亡き妹の怨念を晴らそうとしたが失敗。再び屋敷へ乗り込むが、主膳一家は江戸へ向かった後だった。後を追う“鬼”は道中に宮本武蔵に遭遇し共に江戸へと向かった事から柳生・真田一族や甲賀忍群の争いに巻き込まれ双方から命を狙われてしまう。その間に主膳一家を襲うが、あと一歩の所で甲賀忍群に捕らえられる。この襲撃事件で主膳は狂い、妻は自害する。江戸を騒がす悪行の犯人として晒しものにされた“鬼”を殺そうとする主膳の娘・桜乃。だが彼の『一物』の威力で味方につけ、脱出を図るも2人は柳生一族に捕われる。桜乃を人質に、将軍家指南の座を横取りせんとする武蔵の命を狙わされる“鬼”。彼女と生き延びたいという“鬼”の真意を知った武蔵は柳生家に出向き、桜乃の身柄をあずかり“鬼”の身の安全も取り付けた。“鬼”の目に感謝の涙が流れたその時、長い復讐劇の幕は閉じたのだ。その後、桜乃と2人で琉球に戻り平和な日々を送った彼こそが、琉球拳法の開祖となったかは定かではない。
電子書籍 未刊行
単行本:

週刊サンケイ別冊全3巻

※1巻「島痛の章」1977.8/10号

※2巻「鬼火の章」1977.12/10号

※3巻「江戸の章」1978.5/1号


「なんだか 自分でもよくわからないけど…よくわからないって 悪い気分じゃない よくわかって 見えすいた人間ばかりだもの」

「昭和一代女」
(画:上村 一夫)
アパッチ連載(月2回刊)/1977.創刊号~1978.2号
●空襲で亡くなった母の言葉を胸に、戦後の荒廃の中を一分の義を通し逞しく生きる少女・鷹野翔子。同じ戦災孤児を引き連れ、ズベ公グループのリーダーとして君臨していた。あるトラブルをキッカケに消息不明だった父と再会を果たすも、特高警察に捕われ痛め付けられた母を救えなかった理由が自らの保身が原因と分かるや失望。父の元を去る。生き抜く為、得意の投げナイフを武器に金品強奪などの犯罪行為を繰り返す翔子。やがて捕らえられ女子教護院へ送られる。先輩達のリンチにも屈っせずボス連合を叩き潰した翔子は、教護院のボスとして君臨する。小説家を目指すインテリ教員・矢崎との交流で知的なものへの本能的な憧れを満たす翔子。しかし右翼団体の会長である父が襲撃された事を知り脱走を図る。亡き父の仇を伐とうとするが叶わず、危機一髪の所を義理の母・藤江に救われる。数年後、義母の料亭の芸者として働く翔子は、その美貌により数々の男達を虜にしてゆく。その中で新進作家となった矢崎と再会と別れの悲しみを乗り越えて、政財界の男達と浮き名を流し、妖艶に磨きをかける翔子。昭和一代女の物語が今、始まる。
電子書籍:全1巻
単行本:

講談社刊:KCコミックス全1巻

復刊ドットコム刊:全1巻
(連載時のカラー頁が再現されているのが特徴)


「『敗者にはなにもやるな!!』しかし、わたし個人としては敗者、すなわち英雄失格した男たちにもやりたい…なにかを…」

「英雄失格」
(画:やまさき 拓味)

週刊少年サンデー連載/1977.37号~1978.40号
●オールスポーツ新聞社のスポーツ記者、宇井無策は運動神経はゼロだが、スポーツ全般の知識にかけては人間コンピュータと呼ばれ、全種目の担当記者として活躍する。そんな彼が出逢った男達。ボクサーとしての致命的な欠点を、変則スタイルでカバーするも真の強者の前に脆くも打ちのめされるシャーク・南波。父子2代に渡るプロレス復讐劇。その無敵の強さが招いたミスター・ネッシーの悲劇の結末。目の見えぬ妹のために、卑怯な手段を用いてまでもチームにしがみついた壁キャッチャー岩瀬勇三の最後。師を越えるべく自らの流派を起こすが、世間から邪道拳扱いされ、己のプライドを賭けてマーシャル・アーツのチャンピオンに挑み、刺し違えた芦川栄光。柔道の天才的な素質を持ちながらも、その優しすぎる心ゆえに裏切られ、自ら戦いの場を降りた大元辰麿。師を殺したタイのキックボクサーに復讐するため、空手界からキックの世界へ転向した本郷光昭。ある日、宇井は創刊20周年の記念記事としてドイツが生んだ偉大なボクサー、カールシュミットの一代記を書くことになる。あのヒットラーにも敬礼しなかった男は、世界の王座よりももっと巨大なもの、「何ものにも束縛されぬ本当の自由」に挑戦し死んだ。この偉大なる不滅の挑戦者の生涯を、無策は万感の想いを込めて執筆するのであった。
電子書籍 全6巻
単行本:

小学館刊/少年サンデーコミックス全6巻


「どんな打法にしろ 一夜漬けでいい結果が出るならコーチはいらん 要は信じたら それ一つにむかって あらゆる努力をすることだ」

「巨人の星 王貞治」

(画:関谷 ひさし)
週刊少年キング・緊急増刊 1977.10/30号「王者への道」読切

●1977年、王貞治は対ヤクルト戦にてホームラン世界新記録を達成した。「とうとうやったぞ!!ここへくるまで…思えば長いようでもあり短いようでもあった…」王の脳裏には、これまでの苦闘の道程が浮かんできた。その最初のターニングポイントが、“育ての親”ともいわれるプロの強打者・荒川博との出会いだ。当時まだ中学2年生だった王の素質に眼をつけた荒川に左打ちをすすめられた結果、彼の打者としての才能が大きく花開くこととなる。次のターニングポイントが早稲田実業高校への進学だ。伝統ある早実高野球部の厳しい練習を経て、投手と打者の二刀流で活躍する。唯一の欠点であったコントーロールも監督提案のノー・ワインドアップ投法をマスターすることで克服。一躍甲子園に旋風を巻き起こす。しかし、その注目度は投手としてではなく、打者としてのものに次第に注がれてゆくようになった。高校生活最後の甲子園大会が夢と消え、自らの投手生命に限界を感じた王は以降打撃に専念することになる。そして巨人入団という新たなターニングポイント。同室となった1年先輩の長島茂雄に同じバットマンとしての刺激を受け、巨人のコーチとなった“育ての親”荒川との再会により新たな打撃フォームの模索を始める。そうして王の代名詞となる“1本足打法”の開眼を果たし見事ホームランバッターへと成長した。その後V9の原動力として活躍を続けた王だが、長島監督の就任1年目に13年守ってきたホームラン王のタイトルを明け渡してしまう。翌昭和51年、再起を誓い世界記録を目指す王は715号というべーブ・ルースの記録を破る。残る目標はハンク・アーロンのもつ755号を越えること。翌、昭和52年のシーズンは不調に苦しむも、遂に世界新記録を叩き出した。試合終了後の後楽園球場でのセレモニー。スポットライトに照らされた英雄は「皆さまととともに夢を実現できて 私は本当にしあわせ者です」と、血と汗と絶えまぬ努力で勝ち取った栄光を語った。だが756という数字は過去のものにすぎない。新たな記録へ向けて王貞治は前進を続けていく。

単行本:未刊行


1978


「おたがいおれたちの年ごろにゃ野球でもケンカでも やるからにはトコトンうちこまにゃ意味がないぜ!」

「熱球讃歌」
(画:貝塚 ひろし)
月刊少年マガジン/1978.1月号~1979.6月号
●その少年・的場純は、野球チ-ム城北ペガサスの前にまるで夕焼けの中から現れたようだった。その卓越した野球センスを見込まれチ-ムにスカウトされた彼は、元プロ野球の選手で現在住職の父哲男を監督に迎える。勉強との両立を果たす約束を実行した事でメンバ-の両親から了承を貰いリトルリ-グに加入する。目標はアジアリ-グ優勝!しかし純親子にはもう一つの悲願があった。現役時代ある選手を再起不能にした事から野球を辞め、失意の余り酒に溺れ暴力を奮う哲男とグレル純との生活に疲れ離婚した母へ、元気に立直った姿をTV中継で見せる事だ。猛特訓を重ね力をつけてきたペガサスナインは、次々と試合を勝ち進む。ある日、純の前に母親が姿を見せる。父子が立直った事で再び一緒に暮したいと願う純に、母は今は別の家庭を持ってることを告白。一度はショックを受けるも周りの励ましにより立ち直った純は、ついにアジアリ-グの決勝へ進む。相手は強豪のアメリカチ-ムで試合は一進一退を続ける。その秘密兵器・ポポの必殺のピッチャ-返しを体を張って受けた純は深いダメ-ジを受ける。それでも交替せずに戦い続けるも、最後に力尽き優勝の夢は敗れた。やがて2学期が始まったが、純は学校に姿を見せなかった。父と共に寺を離れ行方も告げず去っていったのだ。ペガサスナインの目の前に映る夕焼けは初めて純と出会った時のように赤く燃えていた。

単行本:

KCコミックス全4巻


「青春とは根なし草の錯覚なり…か」

「あゝ五高 武夫原頭に草萌えて」

(画:影丸 譲也)
週刊アクション/1978.1/12~12/21号

●昭和三年。旧制・第五高等学校(現:熊本大学)柔道部の副将・雲井武夫は、情に厚く豪傑な“もっこす”である。東京から入学してきた文学青年・桃山勉とは親友の間柄。恋に、酒に、そして友情に。熱血多感な若き青春の日々を二人は共に過ごす。惚れっぽい性格の雲井は、出会った魅力的な女性達に思慕を募らせては周りを騒動に巻き込み、結局は悲恋に嘆く結果になる。そんな彼等に落第浪人の苦学生・河田哲平が仲間に加わる。貧しい境遇にめげず野球に青春をかける彼に、雲井と桃山は新たな友情を結ぶのであった。強打者として県下対抗戦で活躍した河田が職業野球からの誘いを受ける一方で、雲井は全九州学生柔道大会で優勝を果たすも、自身の将来に対する不安を感じていた。しかし、一人の女性が彼の人生を決めた。熊本きっての名妓の妹・桜子への恋。だが、悲しい過去と境遇を恥じる桜子は雲井からの想いを遠ざけ一人東京へ去った。でも彼は出逢いを宿命と信じ、あきらめない。東京での再会の時に、自身の放校処分をかけたプロポーズの言葉と行動に心打たれた桜子は結婚を決める。五高を放校し東京残った雲井は桜子と暮らし始める。彼の生き様を知った桃山と河田にも文壇と職業野球というそれぞれの人生に向かって飛び立っていくのだった。

電子書籍 全4巻
単行本:

双葉社刊/アクションコミックス全4巻

※連載第1回分(連載開始にあたり、梶原・影丸両氏の熊本取材の模様が描かれた)は単行本未収録。


「草も木もない四角いジャングルに あるのは男の血のロマン… 生きのこるのは 世界一はだれか!?」

格闘技大戦争 四角いジャングル」
(画:中城 健)
週刊少年マガジン/1978.3/4号~1980.17号迄
●全米で旋風を巻き起こした新格闘技マーシャル・アーツが、日本の格闘界を制覇しようと来日。中でもライト級チャンピオンのベニー・ユキーデは強く、対戦する日本のキック選手達を次々と倒してゆく。事態を重く見た元極真空手の黒崎健時は、新格闘技の団体を設立しこれに対抗する。一方「格闘技世界一」を公言するアントニオ猪木に対して極真空手アメリカ支部の熊殺し、ウイリー・ウィリアムスが挑戦状を叩き付けた事から四角いジャングルには嵐が吹き荒れてゆくのだった。しかしプロレス対空手という異種格闘技対決の実現には双方のルールやそれらを支える人々の思惑が複雑に絡み、困難を極める。そんな周りの状況に惑わされない2人。猪木はトレーニングを続け、幾人かの強敵と戦う。またウイリーは禁じられた他流試合をすることで極真空手をじきに破門となる身なれど第2回世界大会に出場したり、恩師大山茂や黒崎らと共に特訓に励む。そしてついに試合は実現した。一度は第2ラウンド両者リングアウト引き分けとなるが、立会人・梶原一騎氏の権限で試合は続行。結局は負傷した両者に対しドクターストップという結末に終わる。一つの戦いは終わったが、四角いジャングルは又明日の新たな戦いを呼ぶことだろう。

電子書籍 全11巻

単行本:

講談社刊/KCコミックス全11巻

講談社刊/KCスペシャル全6巻

講談社刊/講談社漫画文庫全5巻

道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全6巻

松文館刊/別冊エースファイブコミックス 上下巻

(※ダイジェスト版。タイトルは「アントニオ猪木格闘技世界一決定戦/四角いジャングル」)


「野球を命とし 野球を愛し 野球だけに生きてきながら 野球のやれなくなった男には… いちじの意地やメンツからやすやすと野球をすてるような バカなまねをやってのけるやつが ゆるせなかった だんじて!!」

「巨人の星外伝 それからの飛雄馬」
(画:川崎 のぼる)
週刊少年マガジン/1978年7号に読切掲載
星飛雄馬が巨人を去って三年という歳月が流れていた。今は亡き恋人・美奈の面影を偲んで宮崎を訪れた飛雄馬は、地元高校の野球部とヤクザのケンカに遭遇する。彼の機転で騒ぎは収まったが、途中駆け付けた監督は、この件が高野連に知られたら甲子園出場を辞退せざる負えないと困惑する。飛雄馬は口止めを条件に、ケンカの原因となった部員3名を除名させた。主軸メンバーを失い戦力低下に悩む監督に、高校とは関係ない「第三者」の立場で協力を約束する飛雄馬。父・一徹ゆずりの野球技術で部員を指導するかたわら、校内から新たなメンバー3名を選出し徹底的に鍛え上げる。監督をはじめ部員達は、長髪にサングラス・ずば抜けた野球センスを持ちながら5メートルもボールが投げられない謎の男の存在を訝りながらも、指導を受けるのだった。新メンバーへの千本ノックが夜まで行われた後、飛雄馬の背後にライフルの銃口が向けられた!除名された3名が、彼を他校のスパイと思い込み逆恨みしたのだった。彼等の誤解を解く為サングラスを外し、素性を明らかにする飛雄馬。野球を真剣に愛した男として、軽はずみな行為を許せなかったとの告白に彼等は自分の過ちに気付きうなだれるのだった。翌日、飛雄馬は野球部から姿を消す。彼によって鍛えられた野球部は、その夏の甲子園で勝ち進んでいった…。
単行本:

KCコミックス「新巨人の星」第11巻の巻末他に収録。

※マガジン創刊20周年記念のスペシャル読切作品を集めた別冊少年マガジンにも収録。


「人間というものはね。なにもかもうまくいっているときは だれとでも仲よくできるわ うまくいかなかったとき 逆境になったときこそ…やさしさいたわりが必要なのよ。」

「おかあさん」
(画:はしもと かつみ)
週刊少年キング/1978.35号~1980.31号迄
●日守一也は、城北小学校に通う5年生。体育が得意で勉強が苦手、オッチョコチョイで喧嘩っぱやいのが玉にキズ。そんな彼を、強い愛情を持って時に優しく、時に厳しく接してくれるのが“おかあさん”だ。良妻賢母でスポーツウーマン、息子にとっては「太陽」のような存在である母。「ひまわり」のように彼女を見つめ、一也は真直ぐ育ってゆく。それを暖かく見守る父。どこにでもいるようで、どこにもいないような日守一家の親子三人(プラス飼い犬一
匹)。彼等の幸せで暖かな日々は今日も訪れる…。

単行本:

ECコミックス全1巻(未完)


「人間の“性悪説”も無神論などと同じく一つの逃避(エスケープ)だよゴルゴ 人間界の修羅場に耐えきれなくなった むしろ弱者の… すくなくとも そう思いたい そして わたしの大東カラテは人間同士が血で血を洗い尽くした極限に完成したい できれば…」

「新カラテ地獄変」

(画:中城 健 影丸譲也)
週刊サンケイ/1978.8/10号~1982.3/11号
●昭和21年。特攻隊の生き残りとして敗戦の東京に復員した大東徹源は、空手の腕を見込まれヤクザの用心棒となりながら自らの死に場所を探していた。だがその強さ故に裏切りあい、逃れた大阪で不思議な魅力を持つヤクザの頭領・柳ヶ瀬次朗と出会う。次朗の勧めで空手日本一をめざした徹源は全日本空手道選手権で優勝するも空手界から追放されてしまう。異端の空手家として孤立した徹源は、渡米して旧ユダヤ人の秘密結社モンテ・クリスト機関の戦闘員として旧ナチスの残党狩りをする羽目になるが訣別。新天地として訪れたニューヨークのプロレス界で、プロレス界の疫病神と恐れられたチャンプ・キラー・ゴルゴと死闘を経て友情で結ばれる。大東カラテの世界普及にめざめた徹源はアラブの地で、傲慢だが崇高な気位を持つサラ姫と出会い惹かれてゆく。強盗団に攫われた自分を、死を賭けて救ってくれた行動に打たれたサラ姫は、徹源と結ばれた末に身籠ってしまう。アラブの皇太子と婚約中のサラ姫は、徹源を守るために真実を隠したまま斬首の刑に処された。活躍が認められアラブに支部を立ち上げた徹源だったが、愛する人を失った悲しみは深く、彼の心は虚ろにさまようばかりであった…。
●単行本:

サンケイ出版刊/週刊サンケイ別冊全15巻

(注:13~15巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード。13・14巻については未確認)

サンケイ出版刊/サンケイコミックス全15巻

(注:13~15巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード)

講談社刊/KCスペシャル全10巻

(注:9~10巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード)

道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全10巻
(注:9~10巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード)

講談社刊/KCデラックス上下巻(上:孤狼放浪編 下:孤狼放浪編)
(注:ダイジェスト版)


1979


「いかな貴顕の美女とて厠にしゃがむこと例外ではないが、そこはそれ、誰も見ておらぬゆえ見ぬもの清し すなわち、いかな醜態も当の相手が死んではなかったことも同然。」

「真説 柳生十兵衛」

(画:小島 剛夕)

カスタムコミック/1979.5月創刊号
●独眼竜・柳生十兵衛三厳。家康、秀忠、家光の徳川家三代に剣指南役として仕えた柳生但馬守宗矩の長男で、彼もまた父と同様に時の将軍・家光の指南役として仕えていた。ある日、日頃から将軍の寵愛を受けていることを妬む同僚三人と口論になり、果たし合い騒ぎ起こす。勝負には勝ったが彼等の策略で左目を矢で撃たれ失明。騒ぎの処罰として柳生谷で謹慎生活を送ることになった彼は、国許道場で一万三千の門弟を教えながら、己の剣に磨きをかける。大悟法道軒との野試合で勝利を収めた彼は、片目となったことでの新たな利点に気付く。やがて謹慎が解かれた十兵衛は諸国漫遊の旅に出る。その行動を公儀隠密と勘違いされ、幾多の刺客に狙われる十兵衛。だが、彼の剛剣はそれらを見事圧倒する。もう一方の雄、剣豪・宮本武蔵との邂逅。寛永十五年、再び御書院番として出仕した彼は特技の兜割りを披露、翌年にはフェンシングに勝利を収めて柳生家の威光を示す。父・但馬守宗矩の没後に柳生家を継いだ彼は、柳生谷に引退。慶安三年三月。鷹狩り中に急死。享年四十四歳、旅を急げるごとき生涯であった…。

単行本:電子書籍含め未刊行


「人間みーんな兇器じゃないのかい? 強い兇器とさほど強くねえ兇器と弱い兇器の区別があるだけでよ そして とかく強い危険な兇器は 弱い兇器どもが束になった“法律”だの“正義”だので閉めだされる」

「人間兇器」
(画:中野 喜雄)
週刊漫画ゴラク/1979.1/18号~1983.6/10号(連載中断)、1984.11/23号~1985.1/25号
●己を最強の兇器とし、金と力で快楽の人生を渡る野望に燃える主人公・美影義人。実践空手『空心会』に入門した彼は総帥・大元烈山に見込まれ、鹿児島での空手抗争に貢献しNY支部への転属を果たす。だが支部長昇格の夢を断たれた義人は、大元烈山に叛旗を翻えす!一派を率いて空心会に挑むが、烈山の策略にあえなく敗北。裏切り者への制裁から逃れようと足掻き、犯罪を重ねる彼は、警察からも追われる身となった。メキシコ・キューバ・NY・ハワイ・日本と舞台を移し、反逆外道の旅を続ける義人。自らの欲望が仇となり招いた窮地を大元烈山と妻・薫子に幾度も救われながらも、悔い改めようとはしなかった。CIAも含めた国際的指名犯人となった義人は、一世一代の野望の賭けに出た。悪徳政治家の弱味を握り秘書兼ボディーガードに収まると、国家権力を楯に烈山が新たに結成した挌闘団体潰しを画策するも失敗。義人が政界と結びついたことを知った烈山は、ついに抹殺を決意。烈山と弟子達に完全に追い詰められた義人だったが、崖から転落しそうな息子を間一髪で救った後、自らは崖下の海に転落した…。野獣死すべし。美影義人反逆の青春の幕は下ろされた。
電子書籍 全23巻
単行本:

日本文芸社刊/ゴラクコミックス全23巻


「時代は変わった 巨人も変わりつつある いろんな性格の選手がおって構わんが…し しかし おれ達の考える巨人選手とは この水木炎の姿だ!」

「巨人のサムライ炎」

(画:影丸 譲也)

週刊読売/1979.5/20号~8/17号

●1979年、春。昨年V3を逃した長島巨人の前に突如現われた男・水木炎。大物ルーキー江川卓の球を打ち返した野球センスに目を付けた長島監督は、V奪回の起爆剤として彼を入団させる為に星飛雄馬と対決させる。見事に敗北した水木は、野球道に開眼。厳しいテストをパスして見事入団を果たす。投手と打者の二刀流を目指し、他の選手の倍の練習にも音を上げない水木。1軍デビューは、シーズン終盤に訪れた。しかし広島の江夏投手に翻弄されプロの厳しさを知った。明けて1980年。今年こそV奪回を目指す長島巨人。水木は、江川・中畑ら若手と共に、打者に投手にと大活躍する。だが、彼の欠点を知る男・高校時代の親友、馬耳が広島に入団した事でピンチに陥る。しかし長島のヒラメキカンピュータがこれを粉砕した。続いて現われたライバル、ビッグ=オー。凄まじいピッチャー返しで水木の命を狙う為に中日に入団。驚異の打力でセ・リーグを恐怖に陥れる。彼の挑戦を真っ向から受けて立った水木は、ピッチャー返しを避けようとはせず、急所だけを庇い身体で受け止めた!死をも恐れぬサムライ魂に、敗北を認めるビッグ。入院先を訪れた彼と、これからの死闘を誓い、熱い握手を交す水木。巨人のサムライの戦いはまだまだ続くのだ!

【サブタイトル】

春雷編:1979.5/20〜9/2号(全16回)

奔流編:9/9〜12/16号(全15回) ※12/23号休載

風雪編:1980.1/1〜号(回) ※3/23.4/20~27号休載

死闘編:5/4〜8/17号(全15回) ※6/29号休載

電子書籍 全2巻(未完)

単行本:

読売新聞社刊/全4巻

海苑社刊/全2巻 ※改定完全版(未完)


「荒涼たるあらあらしさ そしてかぎりない哀しみ孤独 それらをこらえて微笑するやさしさ 哀愁荒野 それは男の心である…」

「哀愁荒野」

(画:松久 由宇)

ヤングジャンプ/1979.6/21号~1981.1/1号
●下町の鉄火娘として育った花輪京子は、異母兄弟の兄・竜之介を愛していた。恋人を庇って傷害を起こし、刑務所から出所した竜之介は、義理の母や弟、妹・京子のために一人で生活してゆく。日々思慕の念を募らせる京子と内心京子を愛していながらも突き放す竜之介、しかし運命はやがて互いの想いを結ばせることになる、一度は。始めは兄を裏切った恋人への対抗心から、銀座のホステスとして働きだした京子。彼女の美貌はたちまちNo.1の存在として輝き、様々な男たちが群がってくる。京子の将来を思い、彼女の前から姿を消した竜之介は影ながら見守り支えていく。竜之介を失った悲しみに一度は自暴自棄になった京子だが、彼の真意を知り、立ち直るのだった。自らの店を持ち、夜の蝶として幾つかの恋を重ねる京子の前に現われた一人の男、丘田公次。悲しい過去を持ち、全霊で愛をぶつけるこの男に京子の心は揺らぐ。スキャンダルにより仕事を無くし、海外へ旅立とうとする丘田に付いていこうと店をたたむ決意をした京子に、密かに愛を募らせていたマネ-ジャ-の刃が襲う!竜之介の登場で事件は未然に防がれ、京子は無事に丘田と海外へと旅立っていった…。 

電子書籍 全4巻
単行本:

集英社刊/ヤングジャンプコミックス全4巻


「オレは不毛の地に根をおろし そこで成長し実をつけたい カラテ道を追求するのには幸せは敵なんだ」

「最強・最後のカラテ」

(画:岡本 春助)

※構成:真樹日佐夫
週刊少年チャンピオン/1979.27号~1980.12号
●雪笹実、17歳。ケンカ自慢の彼が隣町のプレイボーイにカラテであっさりKOされた屈辱から、極真カラテの門を叩いた事から物語は始まった。稽古熱心の甲斐あって黒帯を取得した彼に、大山館長からニューヨーク支部派遣の命が下った。支部長・大山茂のテストに合格した雪笹は、一路ニューヨークへ飛んだ。雪笹が行く所には常に事件が巻き起こる。ヤングギャングやマフィアとのトラブルを潜り抜けた彼はハワイ支部へ移動。だが、更なるカラテ道追求の為に日本へ帰国した雪笹だったが、本部道場で留学稽古中のアラブゲリラモ隊長・モハメッドと共に レバノンへ向う。“砂漠のタカ”のメンバーとなり元隊長の救出を手伝う雪笹は、数々の死線を乗り越え逞しく成長を遂げてゆく。任務完了の後、第2回オープントーナメント日本代表の秘密兵器として出場する事になった彼は日本へ帰国。レバノンでの腕の負傷を隠して勝ち続けるが、既に身体は限界にきていた。全身に痛み止めをうち出場を続けた彼だったが、準々決勝進出を前に判定負けになった。外国勢の強敵を苦しめた雪笹に、会場からは惜しみない拍手がおこる。数日後、傷も回復した彼を待っていたのは、大阪の新設道場の指導員としての日々だった。『オレを必要とするならどこへでも行く…南極でも宇宙のはてでも行ってやるぜ!!』

単行本:電子書籍含め未刊行


「そのへんで やめとけや 男の強さというやつも“花”を失したらただの暴力だぜ」

ウィリー・ウイリアムス物語黒い必殺拳
(画:古城 武司)
DELUXEプロレス/1979.9月号収録
1979年6月11日。極真会ニューヨーク支部の首席師範代・ウィリーウイリアムスがアントニオ猪木と対戦することを発表した。立会人を務める梶原一騎氏は回想する。今から溯る事4年前、彼が日本の格闘ファンに初めて姿を見せた第1回オープントーナメントでの衝撃・そしてグリズリーとの死闘を。自らの人生は闘いの歴史であると公言するウィリーの少年時代は、「人種差別」が原因のケンカの日々だった。やがて成長し自分の居場所を求めあらゆる格闘技に手を染めてはストリートマッチに精を出す日々のくり返しだった。しかし1人の男の出合いにより彼の人生は180度変化した。大山茂ニューヨーク支部長・極真カラテとの出会いだった。そして今、彼は新格闘術黒崎道場で厳しい猛特訓に励んでいる。打倒アントニオ猪木を目指して。全ての答えは10月15日に出る!
単行本:電子書籍含め未刊行


「また文芸的になるけど… 真のボクサーにとって 愛する女性と すぐれた敵は ひたむきに全身全霊を打ち込む意味で 原点は同じかもしれない」

「雨の朝サブは」
(画:下條よしあき)
プレイコミック連載(隔週刊)/1979.9/13号~1981.12/24号
●目覚めればいつも雨の朝。人生に何の目的も見出せない雨の青春を送る若者・支波三郎、通称サブ。彼はボクサーだった父を失明された代償として足を洗ったはずの男・赤尾が、息子の研二をボクサーとしてデビューさせた事を知り怒りに燃える。報復に訪れた試合場で研二にKOされた事をキッカケにボクシングを始めるサブ。研二の妹・火鳥の幾度に渡る妨害にも屈せず連勝街道を突き進む。そうしたやり取りの内に2人の間には、ほのかな恋愛感情が芽生えていく。様々な曲折を経て、ついに実現された宿命の対決。得意のカウンターを封じられ窮地のサブだが、起死回生のトリプルクロスカウンターで両者KOの引き分けに終わる。これを最後に研二は引退。次の目標であるJフェザーの王座を手中に収めたその夜、サブは火鳥とついに結ばれる。しかし、ささいなトラブルからサブを庇った火鳥は命を落としてしまう。自暴自棄になり失意のサブだが「無冠の帝王」と呼ばれる強敵・マリオンの出現に復帰を決意する。再起第1戦で対決したマリオンを見事KOした事がキッカケで、世界中のプロモーターから注目されたサブは、持ちかけられた海外遠征の話を承諾する。ハワイはホノルルを訪れたサブ。第1戦の相手チーフ・ホワイトウルフは、たったパンチ2発でプロレスラーをKOするヤツだ。夜の海岸を走るサブの胸中には、無気味な対戦相手への不安が渦巻くのであった 。

電子書籍 全14巻(完全版)
単行本:

秋田書店刊/秋田書店漫画文庫全5巻(未完)