アニメ化50周年特別企画!『あしたのジョー』劇場版上映+トークセッションに行ってきました!

「アニメ化50周年特別企画!『あしたのジョー』劇場版上映+トークセッション」備忘録

●ちばてつや先生のビデオメッセージでスタート。素敵な"ジョー"映会を企画してもらい感謝。アニメ50年を振り返り、出崎統の映像演出の素晴しさと原作の梶原一騎(高森朝雄)と組んだ連載の日々を語る。〆は笑顔で「またお会いしましょう」

●あしたのジョー の前奏にのって尾藤イサオさん登場。1と3番サイズでの熱唱。50周年を振り返り、力石葬儀で現役ボクサーと戦う演出でのアクシデント話。そしてもう一曲「僕の数多いヒット曲の中から…」(場内爆笑)音符悲しき願いをスタンドマイクを振り回し歌う。決めの開脚ポーズから戻れず(笑)

●ゲストの丸山正雄さん、野口正恒さん登場。尾藤さんも交えてのトーク。力石葬儀の思い出話がいつの間にか、主題歌を歌う経緯と思い出話に。るるる~にあった歌詞を紹介、その幻の歌詞Verで歌う嬉しいハプニングも。丸山さんの補足では、寺山修司の歌詞先だから音にハマるか分からずあくまで仮だった。TVアニメ初回放送の日、ハイジャック報道の影響で視聴率が振るわず。「でも、だからこそジョーは長く愛された。初めから大ヒットしてたら違ってた」と尾藤さん。先日77歳の誕生日も迎え、内藤大助さんからの花束贈呈。ラストは音符美しき狼たちを歌ってライブは終了~休憩タイム

●休憩の合間、舞台上にアクリルボードが付けられた3つの机が用意。進行役のリングアナ風な紹介で再び丸山さん(中央)、野口さん(向左)、そして森川ジョージ先生(向右)が登壇。トーク開始前にサプライズゲストとして芸人・佐橋大輔(ガンリキ)さんが関係者席から登場し、段平のモノマネを披露。段平ネタを長くやり続けたことで、ちば先生の公認を得たり、CMで段平の声の仕事をもらえたことの感謝を述べ退場。

●トークセッションは野口さん持参資料(絵コンテや音源等)を元にTVアニメ第1作を中心にした質問に丸山さん、森川さんが答えるという形式で始まるが、丸山8:森川2のトーク配分に(笑)。壇上スクリーンに第一作の絵コンテが数話分映る。小林幸名義で脚本も手掛けた丸山さんに、脚本から実際の映像になる際に演出として変えられたシーンはあったのか?の質問。アニメでは脚本はあくまで叩き台で、そこから話をどう演出するかが重要。中でも出崎統さんは優秀で、彼あってのジョーだった。最初のパイロットフィルムを出崎さんが漫画のコマを切り抜き拡大縮小して作ったことがハーモニー演出のヒントになったのでは。結果3本目に作ったパイロットで製作にGOサイン。昔のことであまり覚えてないといいつつ語る丸山さんの答えは30分を超え、ジョー対力石戦の話題で突然質問された森川さんの初の第一声が「(自分の出番までが)長げーよ!」(場内爆笑)。ジムも経営してるプロの視点からは、力石のアッパーもジョーのクロスも「ありえない」と否定。「はじめの一歩」は「あしたのジョー」のボクシングスタイルの否定から作った。もしジョーが正しい方法で戦ってたらもっと勝てただろう。

●それを受け丸山さんが昔はファンタジー要素が必要だったと語ると、そこから時代はリアルが求められ、今また漫画みたいな勝ち方をするボクサーが出てきた、時代は巡ると森川さん。そこから話は声優のキャスティングに。そこから、本職でないあおい輝彦さん等を起用した経緯を語る丸山さんの話が…

●あおいさんは、虫プロの音響が独立した会社からの紹介。劇画をアニメでやるためにあえて違うキャスティングを組んだ。そして数10分、オーディションの話になり再びマイクを向けられた森川さんが残り時間を気にして「大丈夫?オレ高感度下がる事しか言ってないよ」(場内爆笑)。一歩のアニメ化話に。

●過去にアニメ化話を他の漫画とコンペにかけられて負けたという理由で一歩のアニメ化にOKを出さなかった森川さん。だがスタッフの熱意に「出来が悪くなったら途中でも中止」を条件に了解。今は一歩を描くときはアニメのキャラの声が浮かぶほど。最後に野口さんが関わった書籍の宣伝でトークは終了、の段取りだったが、トーク時間の短かった森川さんに主催者からおかわりタイムが。ジャンプが発行部数1位独走の頃、かつて巨人の星やジョーでマガジンが1位だった時代を自分達の作品で取り戻そうと必死だった。DB・スラダン連載終了を期に勢いをつけ、悲願の首位奪還を果たした記念号の表紙を堂々と飾る一歩の横には、なんと矢吹丈が⁉「これを見た時❝あしたのジョー❞という作品の凄さを改めて理解しました」と、当日持参したマガジンの表紙を客席に向けると笑いと拍手でトークは幕。

●最後にイベントに寄せられた杉野昭夫さん、ながやす巧先生、窪詔之さん、中川翔子さんからのコメントが読み上げられた。ながやす氏は「愛と誠」がもしアニメ化されたら誠の声をあおいさんに、主題歌を♪悲しき願いで希望。

●最後の挨拶・野口さん→今もジョーを愛し続け、ここに集まった方々へ「皆様が主人公です」。丸山さん→今もアニメの現場にいられるのはジョーのおかげ。これまで関わってきた会社名を挙げていくと「すべてMで始まる。私の名字もM…Mには不思議な縁を感じる。それに基本私は
(演出と現場の間に立ち苦労する仕事をしてるので)ドMなんです(笑)」。森川さん→「え~。今気づきましたが私もMです」で場内大爆笑&拍手。キレイなオチと短い出番でオイシイ所を持っていきました。

ここから休憩を挟んで劇場版第一作の上映となるのですが、私は仕事の都合で退場したのですが、後日来場者のつぶやきを見るとトーク終了後かなりの方が帰られたようで少人数の上映となったとか…。ネットでも簡単に観れる時代ですが、大きな画面で観る機会はないのに残念です。