1975


「人間愛憎の血がよびあうごとく あぁこうして一堂に会した わかき日本アメリカベトナムの三つの青春像」

「花も嵐も」
(画:川崎 のぼる)
週刊少年ジャンプ/1975.3/4号~38号※16.17号は休載

●父をベトナム戦争で亡くした白鳥純也は、復讐心からアメリカンハイスクールとの空手の試合で相手を手酷く痛め付ける。この仕返しに本国から呼ばれた男・全米空手チャンプのロバートジョナサン、彼の父は純也の父を殺した原因を作った男であった!それを知った純也は自らの手で彼を倒す為に特訓を始める。だが父が命とひきかえに救った少女・ラーナの出現で事態は一転。彼女を付け狙い両親の命を奪ったのが自分の父である事を話すジョナサン。だが憎む事なく許したラーナの人間愛に打たれた彼は何処となく姿を消す。一方純也はベトナム孤児の施設をつくるというラーナに協力すべく共に施設を手伝うが週刊誌のゴシップ記事が原因で純也は学園を去る。その後キックボクサーとしてその賞金を送金する事で施設を助ける純也の前に、ジョナサンが現れた!高額な賞金のタイの王者との挑戦権を賭け2人はリングで対戦するが、卑怯な戦法に純也は敗北。実はジョナサンは純也のラーナに対する援助を助ける為に自ら捨駒となり、先に王者と戦い、その弱点を純也に伝える戦法だったのだ。その友情に報いる為に王者に挑戦する純也は見事勝利する。その姿をラーナと孤児達は涙と笑顔で見つめるのだった。
電子書籍 未刊行
単行本:

集英社刊/ジャンプスーパーコミックス全3巻


「それしか それだけしか きみがこの世に生きたあかしを 残すすべはないんだッ」

「朝焼けの祈り」
(画:かざま 鋭二)
中3コース/1975.4月号~1976.3月号→高1コース/1976.4~5月号
●紅洋台高校ラグビー部の1年生、北小路弘の体は心臓腫瘍におかされていた。その天才的な素質から春のリーグ戦のレギュラーが決まっていたが、自らの病を偶然知ってしまい試合前日に姿をくらませてしまう。数ヵ月後、同じラグビー部員であり中学時代からの親友・千石旭は、北小路が横浜の元町にいるという情報を掴み、マネージャーの司馬麻衣子らと共に会いにいくが説得は失敗に終わる。そして秋の県大会当日、旅立つ北小路の乗る列車に乗り込む麻衣子。彼女は北小路を愛していたのだ。北海道へ降り立った2人は湖畔の国民宿舎に泊まるが、その晩泥棒にサイフを取られ住み込みで働く事になる。一方、麻衣子の身を案じる父親の頼みもあり、千石は北小路と麻衣子を捜しに出かける。2人の居場所を見つけた晩、事件が起こった。北小路が宿舎に入った泥棒と乱闘になりナイフで刺されてしまったのだ。麻衣子の輸血で一命はとりとめたものの、心臓腫瘍による彼の命は残り少なかった。それを知った麻衣子は千石に頼み、彼が北海道で行きたかった場所・襟裳岬へと深夜の病室から連れだした。昇る朝焼けの中で静かに命をひきとる北小路の唇に、麻衣子は永遠の愛の祈りを込めて唇を重ねるのだった。
電子書籍 全2巻
単行本:

学習研究社刊/コース・コミックス全2巻


「つまり先生 ぼくがいいたいのは 千万分の一でも賭けてみて それにもし やぶれたとしても これは男としての立派な人生ではないかということです!!」

「巨人の太陽」
(画:古城 武司)
単行本書き下ろし(昭和50年1月1日 第1刷)
●昭和11年2月20日。終戦後の千葉県印旛郡臼井にてミスター・ジャイアンツ、長島茂雄は誕生した。幼少の頃から抜群の運動神経を持つ茂雄は偶然覚えた草野球で魅力に取り憑かれ、中・高校の各大会でその才能を開花させる。活躍はやがてプロ野球関係者にも伝わり、名門・巨人軍から入団の誘いが舞い込んだ。しかし父の猛反対から立教大学へ進学。鬼監督・砂押の指導のもとで更なる成長を遂げた長島はチームを率いて見事春秋連覇を達成。大学通算8ホーマーという新記録を土産に巨人入団を果たした。オープン戦の大活躍に慢心する長島にプロの厳しさを教えたのが金田正一投手だ。初対決で味わう4打席4三振の屈辱をバネに一層の奮起を図る。翌年入団した後輩・王とのONコンビ。阪神の好敵手・村山との名勝負。連覇を続ける王者・巨人を代表するスター選手となった長島に年齢による体力の衰えが忍び寄ってくる。現役最後のシーズンと挑んだ昭和49年10月14日、対中日戦を最後に長島はついに巨人を引退した。陽は沈み、そしてまた昇る。翌年から新監督となり巨人を率いることになった長島。日本一の監督の座を目指し、新たな第一歩を踏み出すのであった。
電子書籍 未刊行
単行本:

読売新聞社全1巻


「あの日本一の富士山のごと…わしも日本一の大物になるッ!なってみせるたい!!」

「天下一大物伝」
(画:大島 やすいち)

週刊少年サンデー/1975.29号~1977.16号
●小倉の"二代目無法松"無双大介が花の東京に乗り込んできたのはアイドル歌手の明日香ルミを妻にする為だ。周囲をトラブルに巻き込む大介のパワーはスキャンダルから一度は仕事を干されたルミを復帰させ、遂には結婚の約束を取りつける。しかしルミの歌手としての将来の為自ら身を退いてしまう。その後女医の卵、水の江洋子・全米女子プロレスチャンピオン、マリリン・グレースとのラブロマンスを繰り広げる(いずれもあと一歩の所で実を結べず)。一方、孔明一郎という天才との出会いから無双運輸を振り出しに無双商事へと事業を大きくしていく。また格闘オリンピックの成功でプロモーターとしての才能を開花させた大介は実業家大きく成長を遂げていった。ある日、大介の経営するタクシー会社社員が飲酒運転で少年を跳ね、余命いくばくない状態にしてしまう。罪の重さに事業への意欲を失う大介は、残り少ない少年の思い出づくりに誠意を尽くす。やがて少年は死に、その姉、由美子から手渡された少年の日記に書かれた"天下一の大物になってほしい"との言葉に再び事業への意欲を燃やす。数日後、由美子と結婚を経て日本版・ゴッドファーザーやオナシスとして世界に無双大介の名を轟かせていくのであった。
電子書籍 全6巻
単行本:

小学館刊/少年サンデーコミックス全8巻

徳間書店刊/徳間コミックス全6巻

徳間書店刊/トクマフェイバリットコミックス全6巻


1976


「ケンカ野球だから ちったあ熱もはいるのよ ゼニにもなるし やれ猛練習やれ泥と汗…まともな野球なんてあほらしくてやれるかい! おれは万事クールにいきてえ主義でな!」

「悪役天使」
(画:一大寺 鉄)
週刊少年キング/1976.2号~34号
●優れた野球センスを持ちながらも高校野球に属さず、有料の草野球助っ人としてケンカ野球で相手をKOする男・火之矢豪。幼い頃に父を亡くし、その後母と妹が失踪。少年時代を孤児院で過ごした過去を持つ彼は「あすなろ母子寮」の子供達の為にケンカ野球で稼いだ金で野球用品を寄付し、自ら監督となってコーチをする“悪役天使”だ。30万円の契約金で、謎の球団ブラック・ジョーズにスカウトされた豪は、得意の殺人スクリュー・キック・スライディングで対戦相手を血祭りにあげていく。そんな彼に立ちはだかったのがスカイヤーズの豪腕投手・大関春彦。ケンカ野球初敗北の屈辱を果たす為、新たに結成された関東草野球リーグでの対決を目指す。幾多の苦戦を乗り越えて区予選を勝ち抜く豪。一方、彼の応援に出かけた母子寮の子供達は、偶然草野球リーグの陰謀を知ってしまう。ブラック・ジョーズのオーナーでもあり、草野球連盟の創設者の正体とは、悪名高き野球トバク師カケ屋だった!東京代表の座をかけてライバル・大関との対決前日、豪は真相を知る。黒い魔手を胸に秘めて死力を尽して戦うなか、トバク師の壊滅を決意した豪は、自慢の黒バットで大暴れ。話を聞いた大関も騒ぎに加わり、駆け付けた警察に一味は逮捕される。ケンカ野球という悪役の顔を捨てた豪は、今は天使として少年達に野球のコーチをするのだった。

単行本及び電子書籍 未刊行


「しゃべったところで何になろう、もはやわたしは半分しか人間ではないのだ。なまじ話をして、意志が通じあえば おたがい悲しくもどかしいだけだ。」

「ゴッド・アーム」
(画:桑田 次郎)
週刊少年サンデー/1976.18号~1977.29号
●198×年、香港で行なわれた全世界カラテ選手権。その試合中、ゴッド・ア-ムとよばれる東郷日出人6段が何者かに狙撃され命を落とした。その天才的な科学力でノ-ベル賞候補の父・東郷直樹博士は彼を蘇生させようと試みる。しかし蘇った日出人は、人間の常識を遥かに超えた力を身につけていた。大岩を砕き、木々を倒す彼を遠くから見つめる怪しい集団。その中の一人、ゲバルト・ハインリッヒ博士は、作戦の成功を確信した。ヒットラ-の時代より生み出された細胞強化エネルギ-V100を日出人に打ち込み殺せば、父の東郷博士は必ずや彼を蘇生させることを計算していたのだ。彼が正義に目覚める前にを脳改造して組織の手先にと企む組織はフィアンセの矢代理奈の弟・純を人質に彼を捕らえる。脳改造されたゴッド・ア-ムは組織の手先となり暴れるが、理奈のバイオリンの音色に一時意識を取り戻し逆に組織の計画を粉砕する。やがて組織と同盟を結ぶ宇宙人が姿を現し、世界中をUFOで攻撃する。戦いの中でゴッド・ア-ムは一度は命を落とすが、父の治療により復活。そして世界中の科学者達の協力によってさらにパワ-アップした。組織の最終作戦、巨大戦艦による総攻撃を砕くためゴッド・ア-ムは単身戦いを挑む。一時は組織の策略にはまり、ミサイルに取り込まれるも彼のパワ-でピンチを脱出し、ついに組織を壊滅させる。全ての戦いを終えたゴッド・ア-ムは理奈に別れを告げると何処となく飛び去っていくのだった。

電子書籍:全5巻

単行本:

双葉社刊/パワーコミックス 全5巻

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ 上中下巻


「これは かぎりなきチャレンジャー、挑戦者の宿命に生まれついた男の燃える青春記である!! 山にとりつかれた男が、そこに山のあるかぎり より高峰をめざして、登りつづけるように そこに強敵のいるかぎり、はてしなき戦いにとりつかれた青春の炎の詩である!!」

「マットの獅子王」
(画:小畑 しゅんじ)
週刊少年キング/1976.19号~1977.20号
●昭和51年、格闘技世界一を目指し世界中の強者と戦い続けるアントニオ猪木。彼はそのチャレンジ魂はいかにしてつかんできのか…?幼少の頃、一家で移民したブラジルで過酷な生活を強いられながらも前向きに生きる猪木。そこへ遠征にやってきた力道山のファイトに刺激を受けプロレスラ-になることを決意する。数年後、弟子入りを許可された猪木は、祖国日本で修行の日々を送る。完敗のデビュー戦。一方同期のライバル、ジャイアント馬場が着実に成長していくことに猪木は焦りを感じる。しかし、昭和36年のWリーグ戦でカール・クラウザーのキャッチ・レスリングに魅せられた猪木は、そこに自身の求めるスタイルをみる。師・力道山の教えに支えられながら懸命に努力を重ねていった猪木に第5回Wリーグ戦出場のチャンスが舞い込んだ。しかし、結果は無惨な再下位。失意の猪木に、恩師・力道山の死の悲しみが重なる。苦境に立つ日本プロレス界を救うべく、初の海外遠征に発った猪木は最初の地ハワイで3戦無敗の成績を納め単身で本土アメリカへと渡ることになる。そこで彼を待ち受けていた馬場に、海外遠征の現実と厳しさ教えられる。自身の帰国をのばしてまで教えたかったという馬場の好意にうたれた猪木。その忠告を胸に秘め、新たな遠征先へと旅立つのであった。

単行本:

マンガショップ刊/全3巻


「なぜだって…!?だから あんな金に執着してのことじゃないという証拠をみせてやったんじゃねえか おれはなァ朝比奈、おまえのお手軽な責任の取り方が、がまんならなかったのさ」

「花と十字架」
(画:古城 武司)
中学三年コース/1976.4月号~1977年3月号
高校空手界の天才児・鳴海史郎は、合宿先の北海道で地元の高校生とトラブルを起こし、居合わせた女生徒・刈谷小百合を失明させてしまった。数日後、高校選手権で優勝を収めた史郎は、小百合の通う高校に転校する為に北海道へ。事件発端の1人、アメフト部の主将・朝比奈は彼女に好意を寄せており、入部を希望する鳴海を憎みしごく。ある日、小百合の目が海外の医療技術を使わないと直らない事が判明。裕福な朝比奈は、500万円という多額な手術費用を父から借りて用意するが、費用は自分の手で稼ぐと宣言する鳴海の妨害にあってしまう。偶然知り合った暴力団・昇龍会で、アメフトの大会を利用した金儲けの計画を知った鳴海。優勝候補であり、チームの要である朝比奈に怪我させる役目を引き受けた鳴海。その代金を受け取ると、朝比奈を騙し彼のポジションの技術をマスターすると空手の技で負傷させてしまう。代金を自分の高校に賭け、自ら試合に出場し優勝を勝ち取る。裏切りに怒る組員に、河原に連れ去られるが一瞬の隙に彼の蹴りが炸裂。だが、同時に放たれた組員の銃弾に鳴海は命を落とす。死の真際、見上げた夜空に完治した小百合の笑顔を思い浮かべながら…。

単行本及び電子書籍 未刊行


「しかし たしかに日影鉄矢は かれは涙ぐんでいた! 熱い涙だった… そして この日から丘の上と下の熱いフットボール戦争が開始されたのだ!!」

「明日へキックオフ」
(画:前田 俊夫)

週刊少年キング/1976.35号~1977.44号
一学期の終業式を翌日に控え、磯下中の番長・日影鉄矢とその子分達は今日も丘の上のブルジョア高校・白洋学園の生徒達を痛めつけていた。逃げた一人を追って学園まで乗り込んだ鉄矢達を待ち受けていたのは、フットボール部員だった。彼等の猛烈なタックルに鉄矢達は無残に叩きのめされる。部員の一人・副主将の香月丈二はくやしければフットボールで勝負してみろと言い残し去っていった。生まれて始めて自分を負かした競技・フットボールとの出会い。その日から鉄矢は、打倒白洋学園を目標に磯下中フットボール部を結成する。古本屋で買った入門書と子分達との寄せ集めで買った一個のボールから鉄矢達のフットボール活動は始まり、夏休みのアルバイトを経て一式のユニフォームを揃えられる迄になった。そして9月。全校生徒にフットボール部の発足のPRと港中学との練習試合が始まった。その様子を観戦する香月とマネージャー白鳥水絵。試合は序盤、鉄矢のハッスルプレーや相棒の牛山の馬鹿力でリード。磯下中生徒や先生達の声援の中で意気上がるが、港中主将はメンバーに鉄矢を徹底的にマークする事を指示。ワンマンチームのメッキは剥がれ、形勢逆転。結局、磯下中フットボール部初試合は惨敗に終わってしまった。

電子書籍 未刊行
単行本:

少年画報社刊 キングコミックス全1巻 ※未完結 1976.46号の途中迄収録


「おれは帰ってきた! あの頃は右手にあったグラブを いまは左手に はめかえて…帰ってきた!!」

「新巨人の星」
(画:川崎 のぼる)
週刊読売/1976.10/2号~1979.4/15号
●昭和50年夏。球団創立初の最下位となった長島巨人のために、星飛雄馬が再び立ち上がった!親友・伴宙太の協力の下、打撃の技術を磨き代打専門の選手として復活する計画だったが、これに反対する父・一徹の策略で道は閉ざされかかった。しかしそれを知った飛雄馬の怒りの右投げが運命を変えた。実は右利きだった飛雄馬は投手としての再起の可能性があるのだ!これを知った長島監督はテスト生としてキャンプに参加させ、永久欠番の3番を与えた。翌年のシ-ズン前半、代打と殺人スライディングで活躍・オ-ルスタ-戦で右投げを披露・そして後半、遂に投手としてマウンドに復活し、リ-グ優勝を決める。飛雄馬の復活は宿命のライバルを再び球界へと導き、花形満もまたテスト生からヤクルトに入団を果たす。ノ-コンやフォ-ムの改良を経て2年目のシ-ズンも活躍するが、又も日本一の座を逃した事で遂に禁断の大リ-グボ-ル右1号を編み出してしまう。ボ-ルが3つに変化する蜃気楼の魔球で連勝街道を進む飛雄馬。しかし魔球の弱点は、花形に見破られ打たれてしまう。だが巨人の勝利のため飛雄馬は投げ続けるが、やがて左門豊作にも弱点を気付かれてしまう。試合後、一徹と伴と3人で夜の海を見つめる飛雄馬の心は、新たな魔球を夢見るのであった。
【サブタイトル】
泥濘の章:1976.10/2号〜1977.2/5号(全19回)

鳴動の章:2/12号〜6/25号(全19回)

噴煙の章:7/2号〜11/19号(全18回)※9/3.9/10号休載

青嵐の章:11/26~1978.4/9号(全18回)※3/5号休載

噴火の章:4/16号~8/20・27合併号(全18回)

不死鳥の章:9/17号~12/24号(全15回)※9/3.9/10号休載

新魔球の章:1979.1/1号〜4/15号(全15回)

電子書籍 全11巻

単行本:

読売新聞社刊/全7巻

読売新聞社刊/愛蔵版全7巻

講談社刊/KCコミックス全11巻

講談社刊/KCスペシャル全6巻

サンケイ出版刊/梶原一騎傑作全集全9巻

講談社刊/講談社漫画文庫全6巻

講談社刊/KPC版全6巻


「イエス・キリスト!! そ それが敵をも愛せよ 右の頬を打たれれば 左の頬をさしだせと教える…とほうもない神の名か!?」

「格闘士ローマの星」
(画:ふくしま 政美)
週刊少年チャンピオン/1976.50号~1977.32号
●西暦63年ローマ。元格闘士であった父から幼い頃よりスパルタ教育を受けたアリオン。彼は無敗を誇り、市民から「ローマの星」として崇められる存在だ。しかし、それを心良く思わない暴君・ネロの策略により敵国の王女・ライザと戦わされて、アリオンの評判は転落する。彼の機転で一命を救われたライザだったが、アリオンに処罰が及ばせぬために自ら命を断ってしまう。以来一転して悪魔のような格闘士に変貌し自暴自棄な日々をおくった。そんなアリオンを救ったのは王女の妹・ロザリアとの出合いだ。キリスト教徒の彼女の考え、振る舞いにアリオンは自らの新しい道を見つける。一方幾多の刺客をぶつけても倒せぬアリオンに、ネロはライオンとの戦いを命じる。しかもライオンの背にロザリアを括りつけて。彼女を庇いながら戦うアリオンは死闘の末ライオンを倒すが、爪にやられ失明する。この戦いに感激した市民は正義に目覚め、戦いの首謀者ネロを打ち倒すべく立ち上がった!盲目のアリオンの指揮の元、ネロを人質として戦局を有利に進め、ローマの地から遠くアルプスのふもとまで脱出に成功する。その後疑心暗鬼で自ら命を断つネロ。教徒達の新たな指導者となったアリオンはロザリアと二人で平和に暮らすのであった。

電子書籍 全3巻 ※連載時第一回の冒頭9pが未収録
単行本:

芳文社コミックス全3巻 ※連載時第一回の冒頭9pが未収録

美術出版社 全3巻


「こよなくロマンチックな伝説とこの生々しいまでのシンボリック!所詮これが男と女の実体であり愛なるものの究極だ」

「恋人岬」
(画:牧 美也子)
週刊明星/1976.6/13号~1977.6/12号、1977.7/10号~1978.6/11号
●心を通わせながらも別の女性に愛した男を奪われた失意から、グアムの名所「恋人岬」で自殺をはかろうした一城火沙子。しかし不思議な魅力を持った青年・泉明日彦に救われた事から、彼女の人生は波乱に巻き込まれていく。花形TVプロデュ-サ-の職を自ら失い、事故で重傷を負った妹の手術費を稼ぐために銀座のホステスに。その美しさから一躍売れっ子になった彼女に執着する社長との痴情のもつれから、妹を今度は失明の危機にさらしてしまう。しかし度重なる襲う不幸を影から支える2人の男がいた。一人は人気俳優となった自分を管理するために芸能プロダクションを興させ、マネ-ジャ-として芸能界にカムバックさせた明日彦。そして憎まれ役を演じながら敵対する立場から彼女を成長させようとする男、秋月照之。今は妻と別れている彼こそが、火沙子に自殺をはからせた原因を作った男なのだ。奇妙な3角関係は、火沙子が秋月の真意を理解した時終決した。半月後の結婚を約束し、想いを実らせ幸せの絶頂の火沙子。2人を祝福する明日彦は彼女を初めての出会いの場所「恋人岬」へ誘った。実は火沙子への想いを諦めていない彼は、永遠に自分のものとする為に彼女を道連れに恋人岬から身を投げた!駆け付けた秋月の目の前に恋人岬の壮絶な夕映えが写っていた。

電子書籍 未刊行

単行本:

名作ロマン劇画シリーズ全7巻

梶原一騎傑作全集全4巻