1968


「燃えたよ…まっ白に…燃えつきた…まっ白な灰に…」

「あしたのジョー」
(画:ちば てつや)
週刊少年マガジン/1968年1号~1973年25号
●山谷のドヤ街にふらりと現れた少年・矢吹丈。天涯孤独な風来坊の喧嘩の腕にボクサ-としての才能を見出だした元ボクサ-の丹下段平は彼にボクシングを教えようとする。しかし詐欺事件を起こし鑑別所から少年院に送られてしまう。ある日、脱走をはたらいた丈を素手で叩きのめした男・力石徹が現れた。ボクサ-である力石を倒す為、少年院まで追ってきた段平の指導の下でボクシングを始める丈。そのリタ-ンマッチは必殺のクロスカウンタ-でダブルノッアウトに終わる。このケリをプロのリングでつけるべく出所後、デビュ-し連戦連勝を重ねる丈はついに力石と対決、試合は力石の勝利に終わる。しかし試合中、丈の放ったテンプルへの一撃によりリングロ-プに後頭部を強打した事が原因で力石は死んでしまう。自分の生きる目標を自らの手で失い失意のどん底に落ちる丈。やがてカ-ロス・リベラとの戦いを経て、自身の青春をリングで完全燃焼させる事に“あした”を見つける。幾多の死闘を重ねパンチドランカ-に蝕まれながら、世界チャンピオン、ホセ・メンド-サとの試合が始まった。これまで出会った多くの人々の声援の中、15ラウンド全てに持てる力をフルに発揮し戦い抜いた丈の青春は…今ここに真っ白に燃えつきた。

電子書籍 全20巻
単行本:

講談社刊/少年マガジンコミックス全23巻

講談社刊/KCコミックス全20巻

講談社刊/ちばてつや漫画文庫全20巻

講談社刊/KCスペシャル全13巻

講談社刊/愛蔵版全16巻

ホーム社刊/ちばてつや全集全16巻

講談社刊/KCコミックス全20巻(完全復刻版)

講談社刊/講談社漫画文庫全12巻

講談社刊/BOSS漫景品全20巻+1巻(※非売品)

講談社刊/HGT版 全7巻

 


「このままでは ふたりとも 犬死です! 国のためにも 父のためにも ぼくを犬死にさせないでくださいっ」

「特攻3万メートル」

(画:横山 まさみち)

週刊少年マガジン/1968.1号
●太平洋戦争末期。敗北の色濃い日本軍は、米国軍の沖縄侵攻を阻止しようと最後の兵器・桜花による特攻を実施した。特攻隊員の一人・浅香真太郎は、前日失敗に終わった桜花第1陣の戦果を知りながら再び同じ攻撃を命じる新任の大佐(=浅香龍之介。彼の父でもある)に反論して殴られた怒りで浜辺で夜を明かしていた。そのため予定より早く出撃した第2陣に乗り遅れる。司令官から第2陣に父が乗っていると聞き、真太郎は激しく動揺する。幼き日、職業軍人ゆえ、いつ死んだとしても泣く事はないと語り、特攻隊員になった自分にムダ死はするなと教えた父。それが何故桜花に乗っていったのか?本部の命令とはいえ、撃墜されに行くようなものではないのか?形見の刀を握り締め号泣する真太郎に司令官は、愛する祖国を守る為、最後の砦でもある沖縄をどうしても死守するためムダ死にと分かっていても、あえて出撃したのだと話す。以前届かない第2陣の戦果…おそらく全滅だろう。父の心を知った真太郎は整備を終えた桜花で一人出撃した。途中敵機に囲まれるも必死に攻撃を避け無謀とも言える特攻距離3万メートルを飛び、見事敵空母を沈める…。そして昭和20年8月15日・日本は敗戦、太平洋戦争は終結した。

電子書籍 全1巻
単行本:

宙出版刊/「ああ硫黄島/人間魚雷 回天」に収録
講談社刊/ KCデラックス「戦争とコミック~人間魚雷 回天~」に収録


「いま おれのゆめがかないつつある!だれもしんけんにあの子たち のことをかんがえないから おれがやるんだ!」

「タイガー・マスク」

(画:辻 なおき)
ぼくら(1968.1月号~1969.10月号※休刊)→ぼくらマガジン(1969.1号~1971.23号※休刊)→週刊少年マガジン連載/1971年26号~53号
●悪役レスラー養成機関「虎の穴」出身のレスラー・タイガーマスクこと伊達直人は、孤児だった自分が育った孤児院「ちびっこハウス」の経営難を救う為に組織の掟に背いた事で「虎の穴」の刺客に狙われる。最初の刺客ブラック・パイソン戦で応援に来たハウスの子供達に正しい生き方を身を持って示す為、反則技を使わない正統派のレスラーとして生きる決意をしバックドロップで勝利する。その後次々と襲いかかる悪役レスラー勝利し、必殺技ウルトラ=タイガー=ドロップもあみ出した。だがそれも破られ、「虎の穴」の秘密兵器・赤き死の仮面戦では再び反則技を使ってしまう。自分に絶望したタイガーはパリの地下プロレスに参加、そこで第2の必殺技フジヤマ=タイガー=ブリーカーを完成させ再び日本のマットに戻る。さらに第3の技・タイガーVで、「虎の穴」最強レスラー、ミラクル3を撃破され追いつめられた「虎の穴」はハウスの少年を誘拐しタイガーを本部まで呼び出し殺そうとするが、馬場・猪木ら先輩レスラー達の救援により逆に組織を壊滅させられる。その後米国に現れた偽タイガー戦や悪役ワールドリーグ戦を通して反則にも技にも強いオールラウンドのレスリングを開眼する。そんなタイガーにNWA世界チャンピオン、ドリー・ファンク・ジュニアとの試合のチャンスが訪れた。ドリーの頭脳プレーで王座奪回が果たせなかった第1戦に続く第2戦当日、突然の悲劇が襲った。試合場に向かう途中でファンに囲まれたタイガーは、路地裏に逃げ込み人目を避ける為マスクを外した。その時自転車に乗った少年が転倒し、走ってきたトラックに轢かれそうになる。とっさに少年を抱え脇に放った直人は、自転車に足を引っかけトラックに跳ねられてしまった!ポケットにしまった虎のマスクを川に投げ捨てると、伊達直人は静かに息をひきとった。こうしてタイガーマスクはその正体を謎のママで永遠にプロレス界からその姿を消したのだった。

電子書籍 全14巻
単行本:

講談社刊/ぼくら・コミックス1~4巻→ぼくらマガジン・コミックス5~11巻→ 少年マガジン・コミックス12~14巻(※未完)

講談社ハードカバー全6巻(※未完)

講談社刊/KCコミックス全14巻

講談社刊/KCスペシャル全9巻

サンケイ出版刊梶原一騎傑作全集全11巻

講談社刊/講談社コミックス全14巻(完全復刻版)

講談社刊/講談社漫画文庫全7巻


「高校球児なら だれも甲子園の土は裏切れない 甲子園の土だけは… 倒れても倒れても 新しい闘志でいどむのだっ それだけの価値はある!!」

「甲子園の土」

(画:一峰 大二)

少年画報/1968.1月号~1969.12号
●己を燃やす若い青春の血を持て余し、ケンカに明け暮れる少年・沢村健治。両親を事故で亡くし、人生の落伍者が集まる「もぐら横町」に叔父夫婦と暮らす彼が、甲子園のグランドキーパーの老人・美鳩と出逢った事で野球に生き甲斐を見い出す。特待生として竜門高校へ進学し、野球部へ入部を果たす。主将の不動大作のしごきに耐え、見事エースとして夏の甲子園に出場した沢村は決勝進出、ライバル・紅光一の港学園と戦うが敗れる。主将の不動が卒業し、沢村は副主将として春の選抜に挑む。しかし、沢村を憎むアメリカ帰りの新入部員・西城法彦の卑劣な罠にはまり、準決勝で敗れてしまうのだった。その後、西城の妹の手紙によってその陰謀は明るみにされ、部員から白い目で見られた西城を庇ったのは、沢村だった。同じ甲子園を目指す仲間として接する沢村に西城は心を開き、チームワークはより一層深まる。そして、夏の甲子園大会へ2年連続出場を果たした沢村は選手宣誓を任された。そこで出合った強敵、北海道・美幌高との決勝戦。混血児の投手・大滝を相手に、甲子園で己の青春かける男と男の死闘は火花を散らす。決勝戦は日没引き分けにより、翌日再試合が行われた。接戦の末、見事沢村は甲子園優勝の栄冠を勝ち取った!その後、沢村健治は先輩の不動を追って阪神タイガースに入団し活躍するのであった。

電子書籍 全4巻
単行本:

少年画報社刊/ヒットコミックス 全4巻

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ(43) 上・中・下巻


「これは児童漫画界に青春をたたきつけ 血みどろのまんが修業をとおして その作品にも人生にも 男の条件を追求しぬいた ある若い魂の記録である」

「男の条件」
(画:川崎 のぼる)
少年ジャンプ/1968.10号~1969.19号
●旗一太郎は工場で働く青年だったが、人気漫画家・青山に精密なデッサン技術を認められアシスタントになる。ある日、〆切りに追われる青山の手伝いとして友人で漫画家の男谷草介が招かれた。赤貧に甘んじながらも己の信念を貫く男谷の態度に魅かれた一太郎は、彼に弟子入りする。広場で遊ぶ子供達に見せ、好評を得た自作紙芝居漫画「おれたちの旗」の噂は出版者の耳に届き、一太郎にデビューの話が舞い込む。しかし、青山の元アシスタント・月影光にストーリーを盗まれ、一足早く発表された事からデビューのチャンスを失ってまう。叶わぬ夢に焦り信念を曲げた小手先の漫画で入選するが、自らを反省し辞退。その態度に魅かれた弱小出版者社長・夢野から作品執筆の依頼を受けた一太郎は恩師の男谷、友人の大地の協力により「ある無名まんが家の戦い」を完成させる。わずかな部数で発売された一太郎の入魂作は、地道に増刷を重ね、静かなブームとして新聞にも取り上げられた!次回作に意欲を燃やす一太郎に、恩師・男谷は声援の代わりに、5カ条からなる男の条件を話して聞かせる。これから始まる一太郎の漫画家修行を祝福するかのように朝日が綺麗に昇り始めていった…。

電子書籍 全2巻

単行本:

集英社刊/ジャンプコミックス全2巻

集英社刊/復刻版コミックス全1巻


「星くんに自信をあたえられ いまでは万能スポーツマンのぼくは心からさけぶ…巨人の星 星投手に栄光あれと!」

「巨人の星(青島光彦編)」
(画:川崎 のぼる)
別冊少年マガジン/1968年4月号
星飛雄馬が中学生の頃。彼が通う隅田川中学校の2年B組に首席のインテリ青島光彦というクラスメートがいた。いやみで典型的なガリ勉タイプの彼が最も恐れる授業、それが体育の時間である。通常の授業では自信に溢れる態度でも、この時ばかりは他の生徒からもの笑いの対象でしかなく、加えて星飛雄馬が体育時間に抜群の運動神経で憧れの橘カオルに注目されているのが気に入らない。ある日、不良高校生にからまれた所を星に助けられ、あろう事かその現場を橘カオルに目撃された事で、青島は星の地位転落を画策した。鉄棒の授業時間あらかじめ塗られた油によって模範演技を失敗する飛雄馬。だが全てを見抜いていた彼は何ごともなかったようにさりげなく油を拭き取り鉄棒を続けた。完全な敗北感に打ちのめされた青島。そんな彼を見た飛雄馬は野球の紅白試合を提案すると相手チームの応援団長の橘カオルに最後の打者に青島を出すように指示する。星の大活躍で試合は紅組のリード、そして白組はパーフェクトに押さえられていた。そして最終回、星の指示通り橘は青島を励まし打席に立たせた。星の絶妙のコントロールで、バットに球が当たった彼は懸命に1塁に駆け込みパーフェクトを阻止する。橘からの声援にやれば出来るという自信のようなものを感じ涙する青島。その後、プロで活躍する飛雄馬の様々な情報を耳にする内、あの時自分に自信をあたえてくれたのは彼だった事に気付いた青島。自らを反省し鍛え上げスポーツ万能の男になった彼は、飛雄馬へ感謝の思いを込めて呟いた。「星投手に栄光あれと!」

電子書籍 全19巻 ※12巻に収録
単行本:

講談社刊/少年マガジンコミックス全20巻

講談社刊/KCコミックス全19巻 ※12巻収録

講談社刊/講談社漫画文庫全19巻(旧)※12巻収録

講談社刊/KCスペシャル全15集 収録

サンケイ出版社刊/梶原一騎傑作全集全15集 収録

講談社刊/講談社漫画文庫全11巻 収録
(※川崎氏書き下ろしカバーのバージョンもあり)

講談社刊/HGT 文庫全7巻 収録

講談社刊/KPC 全8巻 収録


「レースは車の性能くらべでもなければ 運転者(ドライバー)の技術(テクニック)の見せ合いでもない 命を賭けた 男の争い(レース)なんだぜ」

「レーサーの喪章は赤いバラの花」
(画:宮谷 一彦)構成:真樹日佐夫
ヤングコミック/1968.4.23号
●ヘアピン・カーブに加速させたまま突入する"ヘアピンあおり"で王者グレンジャーを破りGPレースで優勝した槇俊彦。彼は自分の命に何の未練も持たない地獄のレーサーと呼ばれていた。ある日新興自動車会社のシルバーアロー社の社長から自社の宣伝の為にスポーツカーレースへの参加を依頼される。その打ち合わせの場に向かう途中美しいパリジェンヌと出会い引かれ合う。レースは始まった。序盤苦戦を強いられも残り3周の時には3位をキープ。"ヘアピンあおり"で一気に勝負を賭けようとしたその時、何故かハンドル操作を誤りヘアピンを曲がりきれずに壁に激突し、即死する。死の間際、彼の目に最後に映ったのはフロントガラスに飾った恋人からのプレゼントの薔薇の形のキーホルダーだった…。槇の死を知らせる新聞を前に微笑みを浮かべる男、シルバーアロー社のライバル会社・ペガサス社の社長だ。シルバー社の優勝を阻む為に、槇を罠にはめた事が成功した事を喜んでいたのだった。その傍らにいる女・父の命令で槇に近づいた女・そうあのパリジェンヌはペガサス社の社長令嬢だったのだ。父の命令とはいえ、一人の天才レーサーの命を奪った事に彼女は複雑な表情を浮かべるのだった…。

単行本:電子書籍含め未刊行


「草も木もないプロレスのマットの四角いジャングルには常識もない!  あるのは死にものぐるい!死にものぐるいのみ!」

「ジャイアント台風」

(画:辻 なおき)
週刊少年キング連載/1968年28号~31号(第1部プロレス開眼編)

1968年37号(予告編)

1968年38号~1971年17号(第2部風雲編)

1971年21号~29号(第3部王者編)
昭和35年4月1日、ケガにより野球選手の夢を諦めプロレスラーへ転向を決意した馬場正平は、日本プロレスに入り力道山の厳しいシゴキの中で、死にもの狂いの力を身に付けてデビュー。見事初勝利を飾る。翌年のワールドリーグ戦で好成績を残した褒美にアメリカ遠征する事になる。そこで完成した16文キックで快進撃を続ける。2度目の遠征でWWWF世界チャンピオンのバディ・ロジャースとのタイトル戦が行われたが、足の負傷というハンデを乗り越え32文ミサイルで追い詰めるもチャンピオンの策略により王座を奪えずに終わる。変わって王座を奪った宿命のライバル、ブルーノ・サンマルチノに挑戦する為に「7人の悪魔」に全勝しタイトル戦を実現させた。だが今度はマネージャーの陰謀で又も王座奪回を阻まれる。悲しみに耐え日本へ帰国した馬場は第5回ワールドリーグ戦に参加。一時はスランプに落ち力道山の教えによって脱出。3度出かけた遠征先で連戦を重ねる馬場の元へ力道山死すの知らせが届くプロレスの灯を消さない為に日本へ帰国した馬場はワールドリーグを開催し、成功を治めた。やがてインターナショナルタイトルを獲得し、日本人世界チャンピオンとなったのだ!
電子書籍 全12巻
単行本:

少年画報社刊/ヒットコミックス全11巻

少年画報社刊/ヒットコミックス全12巻(復刻完全版)

講談社刊/KCスペシャル全7巻

朝日ソノラマ刊/全3巻

講談社刊/講談社漫画文庫全6巻

松文館刊/別冊エースファイブコミックス 全2巻(未完)


「けちくさい陸の法律より 海の男の法律にしたがえっ わしにつづけっ 白鯨をしとめた男の栄誉に名をつらねよっ!!」

「白鯨」
(画:影丸 譲也)
メルヴィル著「白鯨」を元に構成
週刊少年マガジン/1968年33号~37号
●北アメリカはマサチューセッツ州にあるニュー=ベッドフォード。この港町を訪れた船乗り・イシュメル少年は、安宿で知り合った銛打ちのクィークェグの協力により捕鯨船・ピークォド号に船員として雇われた。その船の船長・エイハブは、かつて鯨の神・白鯨と呼ばれる巨大鯨に左足を喰われてから復讐鬼となり、船員仲間から恐れられた存在だった。航海後、数日前に白鯨との遭遇で難破船となった船長と遭遇したエイハブは、復讐を決意し追跡を命じる。船員の反発も嵐や落雷も味方につける執念の能力を見せつけることで押さえ込み、ひたすら白鯨を追い求める。数日後、執念は叶い白鯨は突如海面に姿を見せた。もはやそれを倒す意外に生き伸びる術はないと悟り、エイハブを始め船員達は銛を持ち白鯨に挑むが、死者は次々と増えていく。占いにより自らの死を知り、棺桶を用意したクィークェグも鯨の餌食となった。彼の棺桶が浮き輪となり船外に投げ出されたイシュメルは1人難を逃れる。巨体に捕まり銛を突き刺すエイハブが、ピークォド号を破壊し暴れる白鯨と共に海中に沈んでいくのをただ眺めていた。彼は復讐を果たせたのだろうか?それとも白鯨はそんな人間の執念をあざ笑うかのように今も何処かの海を泳いでいるのだろうか…?
電子書籍 全1巻

単行本:

講談社刊/KCコミックス 全1巻

少年画報社刊/全1巻


「おれもコンチワだ 魂知和(コンチワ)の和はキックとの和 根性と研究心で どんなにつらくても どこまでも どこまでも くらいついていくぞ」

「キック魂(だましい)」

(画:古城 武司)

別冊少年マガジン/1968年11月号

●上京した琉球空手の天才児・虎手丸三四郎はTV番組「紅白なんでも合戦」に出演し、得意の空手で世間の注目となる。若くて野心溢れる彼は、キックボクシングへの転向を図り、富みと名声を得ようと考えていたのだ。さっそく「キックの鬼」沢村忠を擁する野口ボクシング=ジムを訪れる入門を果たす三四郎。しかし、己の力を過信する彼は地道な練習をさぼりジムで居眠りの日々だった。また先輩達を見下した態度に反発も大きかった。見兼ねた野口社長は、三四郎に試合をさせる事にする。楽勝気分でリングにあがるが、対戦相手に空手の技が通用せず無惨なKO負けとなる。運び込まれた病院のベッドで、自分の思い上がりとキックの奥深さに気付いた三四郎は生まれ変わった。退院後3ヶ月の間、真摯な態度で練習を重ねて、自分を相手と再び戦う事になる。これまでの短所を克服し成長した三四郎は、巧みな攻撃で相手を痛めつけ、必殺の垂直二段げりでKO勝ち。解説を務めた沢村はアナウンサーに、かつて自分にも同じ経験があったと語り、ゆえに三四郎にも同じ試練を与えた事を打ち明ける。会場の暖かい拍手と声援に包まれて、三四郎はキックボクシングの魂を胸に刻み、新たなる栄光へと羽ばたくことを誓うのであった

単行本:電子書籍含め未刊行


1969


「立つも ころがるも すわるも ふすも 一分のゆだんもゆるされず まばたきするまに 勝利と敗北がわかれる…それが柔道ではないのかの」

「鬼とオレたち」
(画:石井 いさみ)
月刊少年ブック/1969.1月号の別冊付録
●とある漁村にある県立南海高等学校の柔道部員達に前に現れた新しい用務員・平手兵介。小柄ながらするどい目付きを持つ彼に、柔道の精神を説かれ事に腹を立てて襲いかかるが奇跡のような技でことごとく投げ飛ばされてしまう。実は平手は元・講道館の伝説的な人物であった。県大会をあさってに控え、主力選手を痛め付けられて困る部長に平手は、県代表にするためにしたことと話す。選手達は体の痛みに耐え戦うことで妙な力みが消えて、偶然技の柔道を使う事になり県の代表に決まったのだ。それを聞いた学校側の要請で、月給倍増を条件に監督に就任した平手は、まさに鬼となって部員をシゴキまくった。尊敬し始めた相手が、お金の魅力に負けて監督を引き受けた事にショックを受ける部員達。父兄の抗議にも耳をかさずスパルタ特訓は続いた。そして全国大会。快進撃を遂げる南海高の影に平手の存在をしったマスコミは、新聞に大きく取り上げるが、誌面を読む彼の表情は何かを決め、準決勝の朝に姿を消してしまう。監督蒸発に慌てる部員たちの前に一人の少女が現れた。柔道家であった彼女の父は10年前に試合上で平手に殺されてた。以来、名も告げず毎月送金を続ける平手の存在を新聞で知り、お礼をするために訪れたのだ。しかい自らの罪を許せぬ平手は、和解も拒否して何処となく消えていった。自分のわがままを詫びる手紙を部員達に残して…。

単行本:電子書籍含め未刊行


「人にはな、とくいなものと、にがてなものがある。たいせつなのは さいごまでやりぬく がんばりだ。」

「たいよう先生」
(画:石井 いさみ)
小学1年生/1969.1~3月号→小学2年生/1969.4~9月号
●もぐら長屋に住む正太くんは貧しい小学1年生。だがPTA費も給食費も払えない家庭環境故にひねくれて、登校もろくにしていない。3学期が始まる正月、正太は一人の男に出逢う。不登校を弱虫のすることと語る彼は、正太の通う小学校の新任教師・日野先生であった。担任でもある彼は正太を発奮させることで、登校を続けさせるだけでなくクビをかけて良い子に指導することを校長と約束していた。日野先生の優しくも厳しい言葉に、正太は次第に心を開いていく。ある日。ひき逃げ事件を解決し、クラスの人気者となった正太の前にアメリカ帰りの転校生・花田が現れた。野球でもレスリングでも負かされてしまったばかりか人気者の座も奪われた正太は、野球によるリベンジのため特訓を開始。それを知った花田も対抗心を燃やす。二人の確執をしった日野先生は、正体を隠して両方に野球のコーチをした。そして試合の日。日野先生に鍛えられた成果を互いにぶつけあった二人は、憎しみを水に流し理解しあう。そのスポーツ精神を教えることが日野先生の狙いだったのだ。しっかりと手を握りあう二人を見て満足そうな日野先生。彼は太陽のように二人を、そしてクラスのみんなを照らしていくだろう。
単行本:電子書籍含め未刊行


「悪役はあくまで悪役で、決して悪人ではない。だから彼等には悪役であることの悲しみが、つねにつきまとう。」
※真樹日佐夫:サンデーコミックスカバーより

「プロレス悪役物語」

(画:一峰 大二)
冒険王連載/1969年1月号~1970年12月号

●第 1話/銀仮面の死神(1969.1月号) 第 2話/恐怖の魔術師(1969.2月号) 第 3話/ナゾの怪覆面(1969.3月号) 第 4話/空中の悪魔(1969.4月号)第 5話/黒い大グモ(1969.5月号) 
※連載第1~5話までは、原作:梶原一騎 脚色:真樹日佐夫の表記。以降は原作:真樹日佐夫でクレジット

第 6話/マットの大怪物(1969.6月号) 第 7話/エジプトの大魔王(1969.7月号) 第 8話/死をよぶガイコツ(1969.8月号) 第 9話/よみがえったミイラ(1969.9月号) 第10話/日本の虎(1969.10月号) 第11話/白の暗殺者(1969.11月号) 第12話/死刑王まぼろしの巨人(1969.12月号) 第13話/毒ヘビ魔人(1970.1月号) 第14話/のろわれた金髪鬼(1970.2月号)

第15話/血の反則王(1970.3月号) 第16話/悲劇の弾丸児(1970.4月号)

第17話/恐怖の鋼鉄人間(1970.5月号) 第18話/囚人チャンピオン(1970.6月号) 第19話/モーレツ! 悪党兄弟(1970.7月号) 第20話/東洋の鉄人(1970.8月号) 第21話/暗黒街の鬼(1970.9月号) 第22話/不死身のゴム人間(1970.10月号) 第23話/地獄の料理人(1970.11月号) 外伝/黄色い旋風(1970.12月号)

電子書籍:全5巻 プロレス悪役シリーズに改題

単行本:

秋田書店刊/サンデーコミックス 全5巻 ※単行本化の際、プロレス悪役シリーズに改題

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ 全4巻 ※単行本化の際、プロレス悪役シリーズに改題


「わが敵どもよっ!復讐のおそろしさを いまにおもいしらせてやるぞっ!!」

「復讐記」
(画:影丸 譲也)
※原作:アレキサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』より
少年キング/1969年3号~15号

●若き船乗りエドモン・ダンテス。長い航海から故郷・マルセイユに帰った彼は恋人メルセデスとの結婚を控え、幸せの絶頂にいた。しかし彼を妬む3人の友人達の悪巧みや、検事の裏切りにより無実の罪で孤島の牢獄に囚われてしまう。6年の歳月が流れ、深い絶望に打ちのめされた彼の心は、同じ囚人であるファリア司祭との出会いによって救われる。生きる希望を取り戻し、18ヶ月という歳月をかけて脱獄に成功したダンテス。司祭から譲り受けた財宝を武器に、自分を陥れた人々への復讐を決意する。モンテ・クリスト伯爵と名を変え、一人また一人復讐を果たしていく彼に、元恋人メルセデスの息子アルベールが決闘を申し込んだ。メルセデスは、復讐対象の一人・フェルナンと結婚していたのだ。母から父の罪を知らされたアルベールはモンテ・クリストに殺されることが償いと考えたのである。その健気な思いに、全て水に流すことを決めたモンテ・クリスト。だが、彼の正体がエドモン・ダンテスと知ったフェルナンは自ら命を絶ってしまう。全てに天罰が下り、復讐の幕は降りた。エドモンドは故郷に別れを告げ、ヨットに乗り込んで海へと旅立っていった。
電子書籍 未刊行

単行本:

マンガショップシリーズ刊(164)/全1巻 ※「復讐全記〔完全版〕+影丸穣也短編集」に収録


「勝利の美酒というものは のめばのむほど のどがかわく だからこそチャンピオンは 死ぬまで戦いぬくのだ」

「キックの鬼」
(画:中城 けんたろう)

少年画報/1969.2月号~1970.18号(第一部)

1970.20号~1971.8号 (第二部)
●大学空手界チャンピオン白羽秀樹はタイ式ボクシングの強さに触れ、「沢村忠」としてキックボクサーへ転身を決意する。キックボクシング旗揚げ第一戦を見事KOで飾り、東洋チャンピオンとなった沢村。彼をキックに導いた野口ジム会長から必殺技開発を命じられ、持ち前のバネを活かしたキック技「真空とびひざげり」を完成させる。必殺技の威力は凄まじく、沢村の連勝は続く。と同時にTV放送も始まり、日本にキックボクシングブームが訪れる。好事魔多し!マスコミを巻き込んだハードスケジュールによって連勝を止められてしまう。この悔しさを更なる精進で乗り越えた沢村は、再び連勝記録を伸ばしていく。次々と倒されるタイ選手に怒った大興業師ラジャマハーは、プロレスラー・キング=コングを特別コーチに招いた。選手達にプロレス技を仕込み日本へ送り込むラジャマハー。しかし彼の野望は、キング=コングの突然の事故死によりピリオドが打たれた。これ以降も連勝を重ねる沢村は、ついに100連勝・100連続KOという前人未到の大記録を達成するのであった!キックの鬼・沢村忠。彼に不屈の挑戦の姿勢がある限り、日本中のファンは支持し熱狂してやまぬであろう。

電子書籍 全6巻

単行本:

少年画報社刊/ヒットコミックス 全6巻

※1巻のみ原作者表記は「高森朝雄」

道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全3巻

松文館刊/別冊エースファイブコミックス 上下巻

※タイトルは『格闘技王 沢村忠 キックの鬼』※道出版のダイジェスト


「嵐があるからこそ虹もある 嵐のあとなればこそ虹は美しい 人生もまたしかり 試練の嵐のかなたにだけ 人は七色の虹を見ることができる」

「ミュンヘンの虹」
(画:峯岸ひろみ)
セブンティーン/1969年13号~24号
●教護院という名の、格子なき牢獄の中で自由を求め願う少女・星川真実。昭和43年暮れ。来日した世界体操界の女王ベラ・チャスラフスカの演技会場を観戦した事が、彼女の運命を決めた。日本体操界悲劇の男・蒼木狼介との出逢い。真実の才能に魅かれた狼介は、教護院へ出向き自らコーチを申し出た。彼に反発し体操に興味を示さない真実だったが、自分にかける狼介の情熱に触れた事で改心。4年後のミュンヘン五輪制覇の夢を共に追いかける事を誓う。こうして始まった厳しい特訓の日々。やがて迎えた退所の日。真実は彼女に想いを寄せる青年・森谷の家に引き取られ、体操の名門校・霞ヶ丘高校への転入試験合格を目指す。だが、彼女は勉強によってではなく、PTA会長令嬢にして霞ヶ丘体操部のヒロイン・白川亜紀の弱味を握ることで入学を果たそうとした!それを知った森谷と狼介の必死の説得で、正々堂々と試験を受け入学を目指すため猛勉強を開始するが結果は不合格に終わる。罪を悔い全てを告白した真実に、亜紀は補欠合格として編入を取りはからった。それは傷つけられた自尊心の復讐の為に、真実をシゴく目的だった。だが、体操に全身全霊をかける彼女のひたむきさに打たれた亜紀は非礼を詫びる。ミュンヘンの虹を目指し、真実は新たなスタートラインに立ったのだ…。

単行本:電子書籍含め未刊行


「要は人を愛し 自分をきたえ けんきょに ひたむきに うちこむガッツ…そう 根性だ 魂なのだ!」

「キック魂」
(画:南波 健二)

週刊少年キング/1969年16号~52号
●学生空手界で「空手三四郎」の異名を取る白羽秀樹は、キックボクシングの普及を目指す男・野口との出逢いから「沢村忠」と名乗り、キックボクサーとしての道を進む決意する。八ヶ岳の山隠り特訓で大きく成長した沢村に、TV放送のチャンスが舞い込む。対戦相手は以前、沢村を倒したソーアジソンよりも強敵なスイトクン。だがキック繁栄を背負い、沢村は必死に闘い勝利する。東洋チャンピオンとなった沢村は必殺技「真空飛び膝蹴り」を完成し、タイから来る選手を次々KOする!だが依然と実現しないレギュラー放送の原因が、強すぎる沢村に対する疑念であること知る。その為に本場タイへ出向き、ライト級王者ポンチャイ=チャイスリアと引き分けた事でレギュラー放送が決定。「キックボクシング」は空前のブームを巻き起こす。しかし地方の興行に加え、テレビ・新聞・雑誌等のハードスケジュールに追われた沢村は、練習不足と疲労によりカンワンプライに敗れてしまう。手のひらを返すように観客から罵られた悔しさをバネに、マスコミのスターとキックのチャンピオンの両立させようと決意する沢村は、更なる猛練習に励み再び連勝記録を伸ばしていく。キックに賭ける男の魂が今日も四角いリングで燃え盛る!

電子書籍 全3巻
単行本:

少年画報社刊/ヒットコミックス 全3巻

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ(45)上下巻


「マイ・カー?カラーテレビ!?なんでえ!そんなインスタントなニセの平和っ!男の生きかたって…もっとほかにあるんじゃないのかっ!?」

「虹をよぶ拳」
(画:つのだ じろう)

冒険王/1969.6月号~1971.6月号●秀才だが運動は苦手の中学生・春日牧彦。彼が空手を始めた理由は、自身を襲った強盗事件がキッカケだった。犯人に対してなす術無く振る舞う父の姿を目の当たりにした牧彦は“父のような弱い男にはなりたくない!”と決意。窮地を救った同級生・赤垣が通う道場「鬼門塾」に入門する。一人息子の身と世間体を気にする両親の反対や幾多の試練に耐え、牧彦は少しずつ成長していく。一方、塾長・鬼門兵介は真剣勝負による空手の大会を開催。赤垣と共に出場した牧彦は準決勝で敗れはしたが、全力を尽くした満足感に包まれていた。大会終了後、慢心から暴力騒ぎをおこした牧彦は家出したあげく、騙されて北海道の山奥で強制労 働をさせられる。絶望的な状況の中で密かに己を鍛えあげた彼は、屈強な監督達を倒し、第2回大会に参加すべく東京に舞い戻る。準決勝で対戦相手を死に至らしめたショックで再び行方知れずとなった牧彦だが、キックボクシング界への参入で苦戦する鬼門塾の為に立ち上がる。一躍日本キック界のエースとなった彼は同門のメンバーと本場・タイへ遠征。自国最高峰の対戦相手との試合を控えた牧彦は師・鬼門兵介に、生涯をかけて空手道を歩む決意を誓うのだった。

電子書籍 全7巻
単行本:

秋田書店刊/サンデーコミックス全7巻

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ(149) 全4巻


「おれは小さいころから なんども夢みた じぶんでもでっかい男になり でっかい男たちを友にもち あの山脈のようにがっちり肩をくんで そびえたいと…」

「友情山脈」
(画:福原 秀美)
少年画報/1969.14号~1970.15号
●四国・土佐から東京の中学校へ転校してきた竜馬新平。市会議員だった父は親友の裏切りにより自ら命を断ち、母親との二人暮し。良き友と素晴らしき友情を築くことを夢見る新平だったが、秀才でクラス委員の桂光一の合理主義の考え方や上級生の番長・黒駒石松の卑劣な行為には失望感を募らせるばかりだ。クラス担任・太刀川から友情の厳しさを教わり、“友情山脈”への想いを甦らせた新平を、同級生・鳩野ルミ子とのハレンチ疑惑が襲う。事件は黒駒の男気ある告白で解決し、それを機に二人は友情の絆に結ばれる。また、首謀者だった桂もプライドを傷つけられ自暴自棄になるが、新平の決死の説得により改心し仲間となる。この時に知り合った血桜一家の2代目・桜木剛介や、幼い弟妹を抱え赤貧生活する右近吾作も若さをぶつけあうことで仲間に加わっていった。ルミ子も交えて一緒に過ごした充実の夏休み。だが、2学期を控えて、新平はある決意を固めるのだった。それは新天地を求めブラジルに移住する右近兄弟と共に、日本を離れるというのだ。桜木も新平達と行動を共にする。別れの日。ルミ子・桂・黒駒ら友たちに見送られ、船は遠くに消えてゆく…新平たちは新しい土地でも、友情山脈を築きあげてゆくことだろう。

電子書籍 未刊行
単行本:

少年画報社刊/ヒットコミックス全2巻

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ(129)全1巻
※平成14年8月。実之業日本社から発売された『コミック伝説マガジン』No.7に1エピソード分が復刻収録された。


「海は男を男らしくきたえあげてくれる大道場だ 戦場だ!! 海には無限の夢があ~る! 海は無限に美しい! 海は無限におそろしい!」

「ケンよ海で泣け」
(画:小沢 さとる)

まんが王/1969年5月号~10月号 

●昭和44年、春。千葉県にある国立海員学校に一人の少年が入学した。上杉健。勇敢な海の男であった亡き父の血をひいた彼は入学そうそう根性を示し注目の的となる。そんな彼を目の敵にしてしごく上級生の山城は、10年前の客船沈没事件により船友だった上杉の父に殺されていたのだ。互いの因縁を知りあう2人。その後、山城の異常な迄の憎悪を受けながらも健は男らしく生きようとする。ある嵐の夜、流されそうになった練習艇を繋ぎ止めようと駆り出された健や生徒達。しかし繋いだロープは突如切れ、練習艇は生徒を乗せたまま嵐の海に流されてしまう。事故は山城の計画で、全ては健への復讐のためであった。翌朝、練習艇は無人島に流れ着く。大人のいない状況に不安を覚える生徒達をまとめ、危機を乗り越えようとする健。だが、そんな彼の努力をあざ笑うかのように山城が姿を現した。隠し持ってきた食料を使い、生徒達の団結を崩そうとする。空腹に耐えかねた生徒達を裏切らせて、人間の醜さを見せつけた山城は一度は優位に立つが、やがて自身も仲間割れに見舞われ飢え苦しむ事態を招く。それを健の自己犠牲愛で救われた山城は、客船事件の真意に気づくと素直に詫びる。一致団結のもとで無人島生活を乗り切り、無事救出された彼等はたくましく成長し、将来は海の男として大海へ乗り出すであろう。

単行本 電子書籍含め未刊行


「自分のわずかの金を友にめぐむのもいいが…金をめぐんだことも 恩をあたえたことも 相手に気づかせなければ なおよろしい」(赤城忠治の友情論)

「夕やけ番長」
(画:荘司としお)
少年チャンピオン(※隔週刊)/1969.1(創刊)号~1970.13号 
●1.友情論の巻:青木照夫(インテリ)のおかあさんがタクシーにはねられた!唯一の目撃者であるオバサンは、相手の悪徳タクシー会社からの報復を怖れて裏金を受け取り口を閉ざしてしまう。親友の為に事件の解決を図ろうと忠治は密かに行動を起こす。

2.黒い夕やけの巻:近所の夏祭りで出会った盲目の少女ユキ。友達のいない彼女のため忠治が与えた一羽のニワトリが原因で、彼女のアパートの住人達と大ケンカとなった。事件がマスコミに取り上げられたことで事態は一変、少女とニワトリは一躍TVや雑誌の話題となったが…。

3.番長王座決定戦の巻:小瀬の尻拭いで参加するはめになった“番長王座決定戦”。発案者のブルジョア令嬢・牧ルリ子が決めた7つの競技に忠治は挑む。勝負はルリ子に憧れる参加者の一人、紅華高校大番長・渡源平と熾烈な一騎討ちとなり、工事現場の地下室でのデスマッチが始まった。

4.赤城忠治と国定忠治の巻:冬休みの宿題の題材として郷土の偉人・国定忠治を選んだ忠治は水之江、インテリ、小瀬らと故郷を訪れる。図書館の館長から聞かされた国定忠治の生涯は、彼に憧れ尊敬していた忠治に衝撃を与えるものだった。

5.ケンカの道教えますの巻:団地のカギっ子たちから子分志願をされた小瀬。生まれてはじめて慕われた嬉しさから嘘を重ね、ケンカに強い男を装ったことから伝馬高校の番長と決闘するはめに!子供達の夢を壊せなず苦しい立場に追い込まれた小瀬は忠治にケンカの極意を教えてくれと頼むが、冷たくあしらわれる…。

6.無名漫画家の日記の巻:自らの信念によって描く少年像に自信を失いかけていた漫画家志望の青年。フト立ち寄った木曽中で忠治たちグループと交流を持ったことから様々な影響を受け、自信を取り戻していく。ある日、花見に出かけた先で指名手配の一味が母子を人質にとるという事件に出くわした…。

7.小瀬の初恋の巻:小瀬が初めて恋をした。相手はグレン隊をやっつける凄腕ズベ公。頼まれて立会い役を引き受けた忠治だったが、誤解から彼女と対決しプロレス技でKOしてしまう。その時、グレン隊の一味が彼女を連れ去った。後を追った小瀬も一緒に連れ去られてしまう…。

電子書籍 全15巻に収録
単行本:

秋田書店/サンデーコミックス 全17巻に各話収録。

※1→11巻 ※2→12巻 ※3→13~14巻 ※4→12巻 ※5→12巻 ※6→16巻 ※7→15~16巻

サンケイ出版/梶原一騎傑作全集 全15巻に各話収録。

アース出版局/漫画名作館スペシャル 全7巻に各話収録。


「エーイ 一たす一が 三や四にゃならんまでも きまりきったことよりは ゼロをえらぶのが 男の勝負…!!」

「モーレツ!巨人」
(画:石井 いさみ)
報知新聞連載/1969.11/4~1970.3/31(全145回)
●逃げの外角球を嫌い、責めの内角球のみ抜群に強いという荒削りの打撃センスを持つ高校生・千波竜介。アンチ巨人の彼が、多摩川グラウンドに姿を現した。投球練習中の球をいきなり打ち込むと、川上監督に巨人打倒を宣言。だが、彼の打撃センスに目を付けた川上にドラフトで指名されてしまう。ならば巨人で大物になり堂々と敵球団に移籍してやれと入団を決めた千波は、待ち受けたシゴキ・特訓の嵐を乗り越えていく。ある2軍戦でミスを重ね落ち込む彼の前に、巨人OBを名乗る謎の男が現れた。球界を去りながらなおも深く巨人を愛する男の熱意ある打撃アドバイスに触れ、また本場大リーグの王者との日米決戦という巨人の壮大な目標を知った千波は、巨人の選手であることに誇りを持ち、新たな気持ちで練習に打ち込むのだった。努力は認められ1軍キャンプに参加した千波は、猛打を振い一躍マスコミの人気者となるが、気のゆるみから女性との無断外泊を引き起こし、降格の危機を謎の男によって救われる。自己の甘さを反省し、更なる精進を重ねる千波はバットマンとして成長していく…。昭和45年のオープン戦の活躍で、王・長島に続く5番打者としてSFジャイアンツとの日米親善試合に起用された千波。他の選手が米国パワーに圧倒されるなか、侍ガッツで貴重な一発を叩き出した!歓声に包まれる千波竜介。このモーレツな男の行く手に待ち受けるのは…花か?嵐か?

電子書籍 未刊行
単行本:

報知新聞社全1巻


「殴り…殴られても友情はおわらん! 友情の墓場はたがいに図にのって干渉をはじめた時だ それも…おためごかしだか おおかたが自分の利益のためにね!」

「狼よ!なぜ走る」
(画:つのだ じろう)

スポーツニッポン新聞/1969.10/26~1970.2/3
●プレーボーイのレーサー・司光一郎 、寡黙なジョッキー・赤月将介、純朴なスキーヤー・男谷洋平。スピードに命をかける共通の世界で生きる3人の男たち。彼等が対面を果たした「狼」というクラブで出逢った絶世の美女・円城寺晶子。関西一の電機メーカー、R電機社長の2号で気品と美貌と一抹の驕りさえかねそなえたその女性に男たちはたちまち心を奪われる。だがそれを自覚しながらも危険な魅力から逃れるように自らの世界に3人は挑んでゆく。しかし、R電機社長の急死によって晶子がひとり身となった事で、彼等は野望実現による栄光を手に彼女を射止めようと動きだした!男谷の選手権優勝、赤月の中央競馬界挑戦、そして司のフォーミュラ-F1クラスの制覇。幾多の挑戦のなか一番先に実現した男谷が晶子にプロポーズする。一方、F1グランプリが日本で開催する知らせが司に届き、その勝利を条件に彼も晶子にプロポーズする。そして赤月も。晶子は3人の男たちの求愛の返事を、司のF1レースの終了後に決める事にする。激戦の末、見事栄光の座を手にした司だが、ゴール直後にオーバーヒートにより車が炎上し爆破し命を落としてしまう。司の葬式に訪れた赤月と男谷は、自分たちを走らせたモノの正体について語り、晶子は3人の男たちの闘う姿に何を 見ていたのかに気付く。その後、それぞれの戦場に戻っていった3人。いつの日か、彼らが再び出会う日は訪れるのだろうか…。

電子書籍 全2巻

単行本:

曙コミックス全2巻


「おれは やること なすこと すべてに勝つ!!」

「格闘王V」
(画:みね 武)

※1971.8月号から11月号まで画に西村輝雄氏名前もクレジットされる。

まんが王~冒険王/1969.11月号~1971.6月号(まんが王休刊)1971.7~11月号(冒険王)
●己の空手の力を世に示し、富と名声を得るため沖縄からきた大東勝利はTV番組「東西モーレツ合戦」に出演し、その実力を見せつけた。その晩、キックボクシングのスカウト達が押しかける。当時人気の高かったキック界が新しい人材を欲しがっていたのを彼は利用したのだ。だが彼の目当ての目黒ジム(沢村忠を育てた)だけが来なかった。怒る勝利はジムに乗り込み野口会長に談判。結局弟子入りの形で入門するが、自分の実力に自惚れろくに練習をしない。会長はそんな彼にタイのボクサー、ブラックコブラとの試合をさせる。基本も知らず立ち向かった結果は、散々ダウンを食らってKO負け。落ち込む勝利に沢村忠が語った体験談が、彼にキックを真剣に学ぼうとさせた。沢村もまた空手出身で最初の試合での惨敗をバネに今日の栄光を掴んだのだ。数日後八ヶ岳で行われた合宿で、沢村直々の特訓を受けた勝利は、ブラックコブラとの再戦で見事KO勝ちで雪辱を晴らす。試合後、更なる強敵に打ち勝つためにも必殺技を持てと、沢村からアドバイスを受けた勝利はキック関連の書物を読みあさり、ヒントを掴もうとする。ある日、下宿先のお手伝いが偶然渡した「サッカー入門」を読んだ時、勝利の脳裏に何かが閃いた!

電子書籍 全8巻

単行本:

秋田書店刊/サンデーコミックス全1巻(未完)※1970.2月号途中迄

マンガショップ刊/マンガショップシリーズ(156) 全4巻